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小学生の時ゲーセンでNAMCOやSEGA.IREM.NINTENDOにハマり、デパート開店待ちしてガンプラを買いながらもクールなボトムズファンを装い、中高時代に洋画やベストヒットUSAで聞いた曲をYou&愛で借りてThat'sのメタルテープに録音しまくった世代なら、尚且つそのオタク気質を未だに引きずってネットゲームやらVRやらに手を出している人間ならば、間違いなく感激して鳥肌が立つだろう。我々の世代で無いと分からない本当の感動の源、それはスピルバーグがこれまで創って来た映画をリアルタイムで鑑賞し、彼と共に進歩して来たテクノロジーとカルチャーを同じタイミングで体感したからこそ、彼が過去のノスタルジーを糧に未来への欲望と悲観を具現化したのがこの映画だというのが分かる事だ。有名雑誌の批評では人物描写が薄いとか言われているが、それを言ったらスピルバーグは昔から得意では無い。彼が我々に感動を与えてくれるのは、どの映画も「世界観」が素晴らしいからだと思う。本当にそこに存在しているかのように、その時代の最高のテクノロジーを使って、綿密で繊細そして時には大袈裟に世界を表現し魅せてくれる。本作に関しても、未来はそう明るくないが、昔のように誰でも楽しめるものは必ず造られて行くだろうという気持ちが世界観に込められており、いつかこんな時代が来ても良いかなと思わせてくれる。観る人を選ぶ映画だと思うが、それでも是非お勧めしたいエンターテイメントだ。
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