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『スティルウォーター』鑑賞。トーマス・マッカーシーの物語る技巧には毎回感心し魅了される。『扉をたたく人』の初老のインテリが心を開いてく静かで熱い心情表現や『スポットライト』での地味な話運びによる報道の真髄とラストの引きの画の勝利。多分映画の力はもちろん観客を信用してるのだろう。 『スティルウォーター』本作では米オクラホマの田舎からすぐに南仏マルセイユに連れていかれる。まさに異国の地での心細さを体感するかのようだ。ジェイソン・ボーンなら欧州でも独りで戦い解決するかもしれないがこのマット・デイモンは米ホワイトトラッシュ親父で中々うまくいかない。体躯と態度で語る名演で惹きつける。 『スティルウォーター』その展開と語り口でサスペンスや感動作で終わることなく遠いところまで連れていかれる。最後まで見ると映したことと映さなかったことの技巧も見えてくる。この分断と対立の世界で生きていくことで一番大事なこと。そして二度と戻らぬ大切なこと。その奥深さを噛みしめたい。
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