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【手紙を書きたくなる映画】 本当は愛していながらも、2人の恋の成就のために、彼本人と偽って書き続ける恋文。手紙が時に愛で、切なさで、真実で、絆で、様々な感情に結びつく映画の軸。見終わると無性に手紙を書きたくなる。 ◆トリビア ○ 監督のジョー・ライトと主演のヘイリー・ベネットは2018年より交際、同年10月にヘイリーは第一子を妊娠した。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ヘイリー・ベネット) 〇主演のピーター・ディンクレイジと脚本のエリカ・シュミットは夫婦。(https://ja.wikipedia.org/wiki/ピーター・ディンクレイジ) ○主演のピーター・ディンクレイジとヘイリー・ベネットは、2018年の舞台ミュージカル版でも同じ役を演じた。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/シラノ_(映画)) ○原作では、シラノは小人症ではなく鼻が大きい事がコンプレックス。ヒロインの描き方も違う。(https://www.cinematoday.jp/news/N0128834) ○他のミュージカルと違い、撮影時に現場で音楽を生演奏し、役者たちが生歌を歌って収録した。(https://news.yahoo.co.jp/articles/b737434af16b7c46a06fc4893bbf1bf1c56cba2e) ◆関連作品 〇「シラノ・ド・ベルジュラック」('90)(同原作作品。91年ゴールデングローブ賞外国語映画賞受賞作品。配信情報なし) ○「つぐない」('07)(同監督代表作。第65回ゴールデングローブ賞作品賞受賞。キーラ・ナイトレイ主演の大河ロマン。プライムビデオレンタル可) 〇「追想」('17)(生い立ちの違う男女が1日で離婚する。シアーシャ・ローナン主演。プライムビデオレンタル可) ◆概要 【原作】 1897年のエドモン・ロスタンによる戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』 【監督】 「つぐない」ジョー・ライト 【出演】 「スリービルボード」ピーター・ディンクレイジ 「マグニフィセント・セブン」ヘイリー・ベネット 「WAVES/ウェイブス」ケルビン・ハリソン・Jr. 「キャプテン・マーベル」ベン・メンデルソーン 【公開】2022年2月25日 【上映時間】124分 ◆ストーリー 17世紀のフランス。剣の腕前だけでなく、すぐれた詩を書く才能を持つフランス軍きっての騎士シラノは、自身の外見に自信が持てず、思いを寄せるロクサーヌにその気持ちを告げることができずにいた。そんな彼の思いを知らないロクサーヌは、シラノと同じ隊のクリスチャンに惹かれ、シラノは2人の恋の仲立ちをすることに。愛する人の願いをかなえるため、シラノはクリスチャンに代わって、自身の思いを込めたラブレターをロクサーヌに書くことになるのだが……。 ◆ ◆以下ネタバレ ◆ ◆手紙 シラノの文才に溢れた手紙。踊るように手紙を受け取り目を輝かせてそれを読み進めるロクサーヌがとても可愛らしい。形は変われど、嬉しいLINEにはすぐ既読をつけてしまうあの感覚と似ている気がした。そんな手紙が、戦場での2人とロクサーヌを繋げる唯一の手段となり、クリスチャンがシラノの本音を知るきっかけとなり、最後にはロクサーヌに真実の愛を知らせる術となる。“いつ死んでも天に召される”と戦場での兵士達が最後に家族に伝えたいメッセージの手段も手紙だったし(あのシーンには涙した)、プレロールの手紙の映像も含めて、手紙に一本化した本作の構成。終わってみれば、なんだかとても誰かに手紙を書いてみたくなった。 ◆背中 眉をハの字に曲げてとても悲しい表情をするピーター・ディンクレイジ。ロクサーヌからクリスチャンの顔繋ぎを頼まれた時の表情がとても悲しげだった。ただそれを大きく上回って印象的だったのが彼の背中の演技。ベランダのロクサーヌに本当の想いを伝える寸前で止め、ロクサーヌの幸せだけを考えた時に出した結論は身を引く事。クリスチャンに全てを委ね、去っていく彼の後ろ姿。彼の特徴的な体格がむしろ功を奏し、物悲しさの極みを表現するような、とても小さな背中にグッと胸が締め付けられた。 ◆ 息絶える前に、ロクサーヌと歌声を重ねるシラノ。ミュージカルが原作らしい、まさにミュージカルのステージのラストを見るような終焉だった。が、一方で映画として、人が歌いながら死ぬのっていかがなものか…まだまだミュージカル映画に苦手意識が拭えない自分のせいだろうか。 引用元 https://eiga.com/movie/96189/ https://ja.m.wikipedia.org/wiki/シラノ_(映画)
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