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ディーン・デュボアとクリス・サンダースが監督・脚本を手掛けた2010年公開の3Dアニメーション作品。 イギリスの児童文学作家クレシッダ・コーウェルによる同名児童文学を原作とした本作は、ひ弱な主人公ヒックと伝説のドラゴン”トゥース”との友情を描いたファンタジー作品で、「他者との理解と共存」という普遍的なテーマが非常に飲み込みやすい形で語られています。互いにコンプレックスを抱く父子関係もこのテーマ性をさらに深めており、最後には親子のドラマとしても感動させてくれます。物語展開は非常に王道とも言えますが、巧みでスマートな演出と細部まで拘られた映像が作品の見応えや完成度をグッと高めていると思います。ヒックとトゥースが徐々に理解し合い絆を深めていく過程はとにかく楽しい!ワクワク感はもちろん、無駄のないスマートな演出に感心させられっぱなしでした。ド迫力クライマックスには大興奮しますが、何より印象的なのはやはりあのラスト。これまでひたすら王道のストーリーが繰り広げられて来たからこそあの重たいラストには思わず言葉を失いましたが、”相棒”として互いを補い合う事でテーマである”共存”が形になったあのラストにこそ本作の一番大きな感動があります。 ラストも含めここまで濃密な物語が子供向けアニメとしても十分楽しめる98分という短尺にまとまっているのも見事ですし、冒頭と対になる勇ましいエンディングには「次も絶対観たい!」と思わせてくれる興奮絶頂のまましばらく余韻に浸れます。めちゃくちゃ面白かったです!トゥース可愛い! あっ、レッド・ミスト!
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