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2019年16本目は『アンブレイカブル』『スプリット』から続くシャマラン三部作の最終章です。これまでどんでん返しばかりを期待され、その度に無意味に長い引き伸ばし(人はこれを"シャマる"と呼びますが)に満ちたサスペンスを連発してきた監督が、まさかの「続編ものでした」というアイデアで挑んだ意欲作。 ですが良くも悪くも彼の個性は死んでおらず、基本が会話劇のスタンスは変わらず。やっぱり全体としてダラダラと長い!と感じてしまうところはありますし、終盤に下手なサプライズを連発しようとして話の筋がコロコロ変わり、結局何を言いたいのかがわからん映画になっています。根本的に作りが下手な人、という印象は同じですね。 一方、スーパーヒーローの存在を世に問いかけるメッセージはアメコミ全盛の今だからこそ面白く感じる部分がありました。我々が日頃過酷な現実に潰されそうな時も、憧れのヒーローは漫画や映画の中で佇むだけで助けにも来てくれないわけですが、隠れた才能はきっと誰しもが持っていて、いつでも誰かがヒーローになることができる。こういう青臭い信念をシャマランは本気で形にしてしまう人なんですよね。 かくいう彼自身も父の敷いたレールから外れ映画監督を志し、これだけボロボロに叩かれても作品を作り続けてるわけですから、立派な「不屈の精神」というギフトの持ち主だと思います。
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