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アラサー世代であれば、この作品にときめかない人はいないのではないだろうか。 私も当時、まだ、小学校低学年の頃にこの映画を親と兄弟と劇場に観に行った。 ポケモン同士が泣きながら戦っている姿が悲しくて、涙が流れるのを必死で堪えた。これが、感動というものなんだなぁなんて、少し大人になったような気がした。観賞後、小林幸子の歌うエンディングが耳から離れず、しばらく口ずさんでいたのを覚えている。 謂わば、この作品は我々アラサー世代の思い出が詰まった特別な作品なのだ。この映画が初めて劇場で観た作品だと言う人も少なくはないだろう。 20年の時を経て、観たポケモン映画はやはり特別な作品だった。子ども向けの演出だが、決して子ども騙しではない重いメッセージがあった。 生きるとは何か。人間とポケモンの絆は存在するのか。 当時と同じシーンで、同じように涙を堪える自分がいた。でも、あの頃とは違う。きちんと意味を理解して涙ぐんでいる。 しかし、幼い自分と今の自分、その涙は同じものだ。子どもでも大人でも感動できるこの作品は、やはり特別な作品なんだと私は思う。 だからこそ、粗があるとそこに意識がいってしまう。もう少し、ミュウツーの心情を丁寧に描いてほしかった。産まれた瞬間から人間に疑問を感じ、攻撃してしまうが、急すぎる。そこは感情移入しなければならないシーンなのに、少々駆け足すぎた。 やはり、なんと言おうと子ども向けの作品なので、少々物足りなく感じることがある。これは、期待しすぎていたためというのも自覚はしているが、どうせアラサーホイホイの作品なわけだし、大人向けに振り切ってほしかった。わがまま過ぎるか。
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