
てっぺい

A Complete Unknown
Avg 3.7
Mar 02, 2025.
【フェス映画】 ボブ・ディラン激似の声色で、トップ俳優が歌唱連発。脇を固める俳優陣もレベル激高の歌唱連発で、まるでフェスの場にいるよう。ボブの波瀾万丈な史実を描く、見応え満点の一本。 ◆トリビア ○劇中で40曲の歌唱を披露したティモシー・シャラメ。「ギターもハーモニカもすべて生だ。何テイクもね。」と、その圧倒的な挑戦を明かし、シルヴィ役のエル・ファニングも、「鳥肌ものよ。彼がいかに情熱と努力を注いでリアルを追究したか分かる。」とその熱意を称賛する。(https://www.searchlightpictures.jp/news/20250213_01) 〇約5年間、ティモシーはボイスコーチと共にディランのパフォーマンスを研究し続け、ギターとハーモニカまでマスター。現場では、あらかじめ録音された音源を流しながら演技を撮影していく準備も取られていたが、ティモシーが自身での実演と生歌唱を譲らずにやり遂げた。(https://www.searchlightpictures.jp/news/20250130_02) 〇演じるのではなく“ティモシー自身がディランになる”ことが必要だったという監督。クランクインして最初の週で撮影したという映画冒頭の歌のシーンについて「実際にライブの場で彼が歌い上げる姿を見て、“これは特別な作品になる”と確信しました。彼の演技が、ただの再現ではなく、本当にその空間を満たし、広がりを生み出していたんです。」(https://www.searchlightpictures.jp/news/20250203_02) 〇本作で助演女優賞にノミネートされたジョーン・バエズ役のモニカ・バルバロは、「歌はシャワー中に歌う程度だった」にも関わらず、「音楽に取り組んだことで彼女の人格や時代背景を深く理解できた」と語り、歌が役作りに置いて重要な要素だったことを明かした。(https://www.searchlightpictures.jp/news/20250213_01) ○バルバロはバエズ本人にも会って役作りをリサーチ。音楽面でも課題が山積みだったとし「私は歌手でもギタリストでもないので、まずは2つのトレーニングに取り掛かったんです。それが私の初期の仕事の多くでした。」(https://eiga.com/extra/hosoki/44/) ○バルバロは「(バエズの)人間らしさを伝えたいという想いもあって、欠点も自然な形で表現したいと思っていた。輝かしい部分と欠点のバランスが難しかったわ」と役作りの苦労を明かす。(https://lp.p.pia.jp/article/news/413329/index.html) ○ シーガーは、20世紀半ばのフォーク・リバイバル運動の中心人物。演じたエドワード・ノートンは「ボブ・ディランのような人々がバトンを受け取り、新しい世代へと受け継いでいく光景を見ることが、彼にとってどれほど大きな喜びでだったか。それを理解することが、私にとって本当に重要なことでした。」(https://eiga.com/extra/hosoki/44/) ○エル・ファニングは演じたシルヴィについて次のように語る。「シルヴィが単なる恋人にならないように最善の表現方法を模索した。彼女の複雑さや深みを表現し、地に足の着いた強い女性を演じた。いつかボブが映画を観てくれた時に思い出が表現されていると感じてほしい」(https://lp.p.pia.jp/article/news/413329/index.html) 〇本作には、ボブ・ディラン本人も製作に協力し、シャラメがプロデューサーとしても参加している。(https://www.searchlightpictures.jp/news/20250219_01) 〇監督は、ボブ・ディラン本人と直接話しながら脚本を進めたという。楽曲『Masters of War(戦争の親玉)』は6分と長尺で、映画の中で全て流せない悩みに、ディランが“大丈夫、俺もライブで全部は歌ってないから”と快諾。「そうした形で、彼は作品に対して柔軟で、制作を後押ししてくれました。」(https://www.searchlightpictures.jp/news/20250203_02) 〇ボブ・ディランは本作についてSNSで次のように言及。「ティモシー・シャラメは優れた俳優で、僕だと完全に信じられるものになったと思っている。若い頃の僕、少し別の僕だよ」(https://nme-jp.com/news/150370/) ○ティモシー・シャラメのお気に入りは、70年代に行われたボブ・ディランの日本武道館での公演を収めたものだという。(https://lp.p.pia.jp/article/news/413329/index.html) ◆概要 2016年に歌手として初めてノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランの若い日を描いた伝記ドラマ。第97回アカデミー賞で作品賞をはじめ計8部門でノミネート。 【原作】 イライジャ・ウォルド『Dylan Goes Electric!』 【監督】 「フォードvsフェラーリ」ジェームズ・マンゴールド 【出演】 「デューン 砂の惑星」ティモシー・シャラメ 「インクレディブル・ハルク」エドワード・ノートン 「マレフィセント」シリーズ エル・ファニング モニカ・バルバロ 「LOGAN/ローガン」ボイド・ホルブルック 「ファンタスティック・ビースト」シリーズ ダン・フォグラー 初音映莉子(2012年『終戦のエンペラー』でハリウッドデビューした日本人) 【公開】2025年2月28日 【上映時間】140分 ◆ストーリー 1961年の冬、わずか10ドルだけをポケットにニューヨークへと降り立った青年ボブ・ディラン。恋人のシルヴィや音楽上のパートナーである女性フォーク歌手のジョーン・バエズ、そして彼の才能を認めるウディ・ガスリーやピート・シーガーら先輩ミュージシャンたちと出会ったディランは、時代の変化に呼応するフォークミュージックシーンの中で、次第にその魅了と歌声で世間の注目を集めていく。やがて「フォーク界のプリンス」「若者の代弁者」などと祭り上げられるようになるが、そのことに次第に違和感を抱くようになるディラン。高まる名声に反して自分の進む道に悩む彼は、1965年7月25日、ある決断をする。 ◆ ◆ストーリー ◆ ◆ A Complete Unknown クレジットにウディ・ガスリーのラジオ音が乗り、ヒッチハイクの車を降りたボブからタイトルへ。「Like A Rolling Stone」の歌詞でもあるタイトルが乗るこの冒頭が、本作がウディ・ガスリーを敬愛するボブ・ディランの物語である事を記していた。見舞ったウディから授かったハーモニカを吹きながら、ボブが瞬く間に成功を収めていく一方で、身バレしだすことで“自由”が失われていく。ボブの“葛藤”が丁寧に描かれており、ラストのフェスぶち壊しも含めて、これが史実なのだから見応えあり。個人的には、ボブの住まいそばにタンバリンを叩く男がいたり(「ミスター・タンブリン・マン」の着想元か)、「Blowin' in the Wind」がボブではなくジョーン・バエズが先に世に出していたなど、ボブ・ディランのそうだったんだなトリビアも(脚色かどうかは置いといて)楽しめた。 ◆ティモシー・シャラメ 劇中で実に40曲を、実演と生歌唱でやり遂げたティモシー。エンドロールにあった曲数の多さにも驚けば、なんと言っても声色が恐ろしいほど本物に酷似している点に驚かされる。劇中で始めに披露した病棟での弾き語りが衝撃だった。演じるのではなく“ティモシー自身がディランになる”ことが必要だったという監督の言葉の通り、途中から彼が俳優ではなく普通にミュージシャンに見えてくるのだからすごい。ジョーン・バエズとボブが部屋でハモった「Blowin' in the Wind」が最高だった。さらに後半からは、直接的に描かれてはいなかったものの、ボブが酒かドラッグにいつも依存したような表情で、その演じ分けもくっきり。コロナ禍もあり5年間、役の研究に明け暮れたというティモシー。アカデミー主演男優賞にノミネートされているのも大いに頷ける。 ◆ラスト ボブが再びウディの病棟を訪れるラスト。ボブはウディから授かったハーモニカを返そうとする。思えば、シーソーを例えにピートが懇々と語った彼らの積み上げてきた“フォーク”を彼はぶち壊した自覚があるわけで、あのハーモニカを返そうとしたのはボブにとってその反省を意味するもの。しかしそれを優しく戻したウディ。ピートを演じたエドワード・ノートンは、ボブがバトンを受け取り、新しい世代へと受け継いでいく光景がどれほど大きな喜びだったかを理解することが、役作りで重要なことだったと語っている。ウディもピートも、バトンをボブに託したという表現があのハーモニカに詰まっていた。文字通り“風に吹かれて”バイクを走らせるボブの表情は、そんなバトンを受け取り、誇りに満ちて清々しさに溢れていたと思う。エンドロール前に記されたノーベル文学賞受賞とボブがその式に参加しなかったという事実は、本作を通して見ると、とても彼らしい納得のいく行動に改めて思えた。 ◆関連作品 ○「フォードvsフェラーリ」('19) ジェームズ・マンゴールド監督の代表作の一つ。カーレースの実話を脚色。プライムビデオ配信中。 ◆評価(2025年2月28日現在) Filmarks:★×4.0 Yahoo!検索:★×4.3 映画.com:★×4.1 引用元 https://eiga.com/movie/102482/ https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ボイド・ホルブルック