Comment
2020年131本目は、コロナの影響でだいぶ公開が遅れてしまいました、ピクサー最新作『2分の1の魔法』。 ------------------------------------------------------------ ひ弱で臆病な弟イアンと能天気な兄バーリーのかけ合いが生み出す化学反応がひたすら楽しく、様々なトラブルにもみくちゃにされながらも心の成長を遂げていくストーリーはピクサーの十八番といったところでしょう。家を飛び出した2人を追いかける母親や下半身だけの父親を交えた親子愛の話かと思いきや、最後は伏線を華麗に回収しつつ別の角度から強烈なストレートを繰り出す終盤もお見事。何だかんだで涙腺を刺激されます。 ------------------------------------------------------------ ただ、イアンの人間としての成長がすべて「魔法を使える」という結果に支えられているため、その理由をハッキリと描けていないのはもったいないと感じます。兄貴ではなく彼が杖に選ばれたのは言わば「才能」としか見えませんし、何の根拠もありません。こうした重要なポイントを落としたまま話が進んでいくのはピクサー作品として中々珍しいレベルで、良くも悪くも小気味良くまとまった佳品になっています。 ------------------------------------------------------------ しかしそんな瑕疵などどうでもよく、イアンの声を演じるのがトム・ホランド、バーリーの声を演じるのがクリス・プラットという「マーベルファン」向けの粋なキャスティングにニコニコしちゃう人も多いのでは。日本語吹替えは見てませんが、どうもハリセンボン近藤春菜氏の演技が酷いらしく本当の意味で「魅力が2分の1」になってるようですから、字幕での鑑賞を強く勧めておきましょう。
10 likes0 replies