
てる
4 years ago

Ritual
Avg 3.2
岩井俊二みたいな作品だなぁって思ってたらまさかの主演だった。 庵野作品って豪華キャストが勢揃いだけど、今回は違った意味で豪華。岩井俊二が主演だし、セガールの娘だし。なんだかよくわからないけど、よくそんなキャスティングができたもんだ。鈴木敏夫のなせる業か。 前作と違って、今回は画が落ち着いている。前のは自主製作映画で、今回は商業映画っぽい。独特なカットよりも美術装飾、ライティング、衣装メイクで遊びを入れている。黒みを入れたり、庵野節ももちろん忘れてはいないものの、庵野作品でもっとも実写らしい作品だったと思う。 始まりは退屈。というか不可解。岩井俊二の『PiCNiC』を思い出した。不可解な女と不可解な男が不可解な場所で不可解な共同生活を始める。それはマンガのようで、この人たちが如何にして生活していて、どのように資金を得ているのか全くわからない。しかしそれに疑問を持ってはいけない。 でも、不思議と、不思議ではないか、映像の美しさで観れてしまう。何を考えているのかナレーション以外ではよくわからないカントク演じる岩井俊二も妙に様になっているし、完全に精神が壊れている藤谷文子も様々な衣装メイクとその下にある美しいご尊顔で飽きがこない。 始めの方は完全に流し観をしていたけれども、後半は感情移入している自分がいた。とはいえ、この壊れた女のどこを好きになったのかはよくわからないけど。 最後のすっきりとした、晴れ晴れとした彼女の笑顔に思わず目頭が熱くなり、エンディングでは涙がちょちょぎれる。この曲自体は知っていたけど、まさか映画のエンディングに使われていたなんて知らなかった。名曲ですね。庵野にこんな美しいエンディングが描けるなんて意外です。見直しました。