Comment
dreamer

dreamer

4 years ago

3.0


content

バージンブルース

Movies ・ 1974

Avg 2.8

この映画「バージンブルース」は、「赤ちょうちん」「妹」に続いて製作された、藤田敏八監督、秋吉久美子主演による、日活青春映画シリーズの最終作。 前2作が、南こうせつとかぐや姫のヒット・チューンをタイトルのみ借用していたのに対して、この作品は、作家の野坂昭如のナンバーをタイトルに借用している。 この作品が、前2作と大きくムードが異なっているのは、ヒロインの秋吉久美子の恋人役が、冴えない中年男の長門裕之であることが大きいと思う。 万引きをした女子学生(秋吉久美子)が、この中年男とともに西日本をさすらうロードムービーの構成をとっている。 この女子学生は、中年男を好きなのか嫌いなのか、最後まで判然としない。 秋吉久美子のヒロイン像は、前作の「妹」でみせた不良性を引き継ぎ、不良でありながら中年男にとっては、かけがえのない少女であるという構造は、まさに秋吉久美子の存在そのものを描いているかのようだ。 この藤田敏八=秋吉久美子の日活三部作で興味深いのは、時代を活写した青春風俗映画でありながら、どれも現代に通じるテーマを内包し、結果的に先取りしていた点にあると思う。 その意味では、この作品はまさに「早過ぎた援助交際映画」であるのかもしれない。 旅の途中で、アングラ劇団と出会うシーンは、実際に「はみだし劇場」の追っかけで上京し、芸能界入りを果たした秋吉久美子の出自を匂わせるかのようで、彼女の私小説映画の趣もあるように感じられる。