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“Oh Hi Mark” 史上最低の駄作映画といわれ、カルト的な人気を誇る『The Room』の制作過程を描く実話を基にしたコメディ作品。 《あらすじ》 サンフランシスコにある演劇学校に通うグレッグ・セステロ(デイブ・フランコ)はクラスのなかでも独特な演技で一際目立つトミー・ウィゾー(ジェームズ・フランコ)と友達になり、二人は俳優としての夢を掴むため、LAへと向かう。しかし、二人ともオーディションに落ち続け、夢を諦めかけたある日、グレッグの自分達で映画を作れたらなという呟きをきっかけに二人は映画を作り始める。 《感想》 題材になっている『The Room』は見ていなくても問題なし。この映画を見終わったあとは『The Room』を見たくてたまらなくなっていて、見てもいないのに虜になってしまう。それくらい、史上最低の駄作でありながら『The Room』の魅力がこの映画から伝わってくる。 その魅力のひとつは『The Room』の監督・脚本・主演をつとめるトニー・ウィゾー。東欧訛りの英語を喋るのに頑なにニューオリンズ出身を貫き、どう見てもティーンには見えないのに19歳だと言い張り、『The Room』の制作費600万ドルを用意できてしまう程、超大金持ちというとんでもない個性強めのキャラクター。序盤は気味の悪さも感じてしまうが、見終わった後にはすっかり愛すべき存在に。 トニー演じるのはカメレオン俳優ジェームズ・フランコ。映画だから少し大袈裟に演技してるのだろうと思ったら、エンドロールに流れる『The Room』との比較映像で再現度が物凄く高いことに衝撃。話し方、動作など細かいところまで研究され尽くした演技は見物。 主演のジェームズ・フランコ以外にも弟のデイブ・フランコ、友達のセス・ローゲン、ザック・エフロン、ジョシュ・ハッチャーソン、シャロン・ストーンなどなど上げたらきりが無いほど有名俳優たちが出演しており、豪華キャストも見どころのひとつ。 A24らしからぬエンタメに振り切ったストーリー。終始、腹を抱えて笑ってしまった。映画愛も詰まっていて、面白いだけじゃないおすすめの作品。
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