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べつやく

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7 days ago

3.0


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28 Years Later: The Bone Temple

Movies ・ 2026

Avg 3.7

28年後:白骨の神殿 ★3.0 舞浜の映画館 シリーズ1作目を高く評価していた立場から、公開後すぐに鑑賞した。正直、ここまで早く2作目が出るとは思っていなかったが、どうやら三部作構想のうち2作目までは同時並行で制作されていたらしい。 前作はゾンビ映画として新規性があり、単なるサバイバルではなく、主人公スパイクと父母関係の歪みや断絶を、前衛芸術的とも言える表現で描き切った点が印象的だった。美しさと狂気が拮抗しており、ジャンル映画として一段上に引き上げていた。 本作では視点が分散し、ジミーがもう一人の主人公として前面に出てくる。終末論者の牧師である父は、家族がゾンビに襲われても顧みず、ジミーに信仰のみを説く。その帰結としてジミーは完全に狂い、自身を「サタン(覇王)の息子」と位置づけ、生皮剥ぎなどの暴力を行う狂信集団〈ジミーズ〉を率いる、逆イエス・キリスト的存在となる。 これと並行するのが、鎮魂として人骨モニュメント(メメント・モリ)を築くドクター・ケルソンの物語だ。彼は突然変異体であるαゾンビにモルヒネ+αの鎮静剤を投与することで意思疎通が可能になることを発見し、レイジウイルスによる攻撃性が「痛覚・知覚過敏」に起因している可能性に辿り着く。最終的には精神疾患的アプローチによって、αゾンビの人間性をほぼ完全に回復させ、そこに“絆”すら成立させる。この過程を外部から見れば、ゾンビを使役し人骨神殿を築く異様な存在にしか見えない点が皮肉だ。これが原因でジミーズたちにサタンそのものだと勘違いされていたのは笑ってしまった。 この二つの物語が交錯する構成は野心的だが、その分テンポと焦点は犠牲になっている。結果として本作はゾンビ映画としての緊張感が薄く、ゾンビ・サバイバルというより、カルト宗教とゴア表現の強度が前面に出た作品になっている。一作目の完成度には明確に及ばない。 ただし、三部作である以上、最終作次第で評価が覆る余地はある。一方で、精神疾患と暴力性を安易に結びつけて見せてしまう危うさもあり、この点は扱いの難しさが露呈していた。 なお、シリーズ通して(※『28週間後』を除く)BGMが異様に大きい点について、一緒にみた嫁が「感染者は知覚過敏だから、そのストレスを観客に追体験させているのでは」と指摘していたのは慧眼だと思う。レイジウイルスが“怒りの増幅制御不能”である設定を考えると、音響設計としては理にかなっている。 総じて、映像の美しさと芸術的表現という点では、今一作目を観た人には勧められる。ただし舞浜では客入りも控えめで、ディズニー帰りに観たが、そんなコンディションでみる観る映画ではなかった笑。