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2020年70本目は、現在レイプ疑惑で渦中の人となってしまったリュック・ベッソン監督の最新作『アナ』。 ------------------------------------------------------------ 女性殺し屋の名前がタイトルでリュック・ベッソン監督作と言えば『ニキータ』ですが、本作はそんな彼の原点回帰とも言うべきアクションに仕上がっていました。とにかく主人公のアナを美しく魅せることに時間が割かれ、まるでファッションショーに出演するかのような色とりどりの服を身に纏っては、次々と暗殺を遂行していきます。 ------------------------------------------------------------ それもそのはず主演のサッシャ・ルスはロシア生まれの現役パリコレモデルでして、監督の前作『ヴァレリアン』にも特殊メイクの宇宙人役でちょっとだけ出演していましたから、その時から目をつけられていたんでしょう。『レオン』のナタリー・ポートマンと言い、監督の魅力的なヒロイン像を打ち出す力は相当なものだと改めて感じました。 ------------------------------------------------------------ 一方で脚本は相も変わらずガバガバで、公衆の面前で顔出しで人殺しまくっても何にも言われないとか、ロシア市場で人形売ってたら狙い通りにモデルの事務所にスカウトされるとか、あまりに都合のよい展開が目立ちます。また、一度進んだ話を再び時間軸を巻き戻し、「実はこうでした」と描く箇所が多すぎるため、ちょっと間延びした印象を受けると思います。 ------------------------------------------------------------ 個人的にベッソン映画としては結構楽しめた方ですけど、『ジョン・ウィック』や『アトミック・ブロンド』の壁がそびえ立ち、近接格闘や銃撃戦を用いたアクション映画のハードルが上がり過ぎているんですよね。そこと比較しちゃうのは酷かもしれません。
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