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『わろてんか』全151話(2,265分) お笑い界の名門として知られる吉本興業、その創業者である吉本せいちゃん(60歳没)の生涯をモデルにしたってだけで、そりゃもう期待が高まるってもんで。 肝心のヒロインは誰なんだ!?とワクワクしながら確認してみたところ、葵わかな。えっ・・・誰?誰ぞや?素人がオーディションに受かったのか、はたまた世間では有名だけど俺が認知してなかっただけなのか、どういう経緯で主役に抜擢されたのかは知らないが、これだけはハッキリ言える。俺にとって葵わかなという女優を知ったこの瞬間こそが、未知との遭遇であったのだと。この、何と表せばよいのか、青いワカメと聞き間違えそうな名前に、俺はえも言われぬ興味を示した。何故この芸名にしたのだろうか・・・?彼女のイメージを象徴する隠された何かしらのメッセージがあるはず、 そう俺は考えた。青いワカメ・・・ではない?と、すると、やおい?やおいワカメ?ワギナ?やおいワギナ?葵わかなの青いワギナがやおいワカメ??俺の脳みそはショートした。葵わかなに対して自問自答で抱いた、漠然なるイメージだけが強く残り、悶々とした気持ちを抑えつつ『わろてんか』を観た。そして観終わった。 俺はこのドラマを特に面白いとは思わなかった。むしろ退屈ですらあった。しかし!最終回で度肝を抜く感動で満たされた。こんな表現しか出来なくて申し訳ないが、サブイボがビンコ勃ったよ。うん十年もの間ずっとインポでご無沙汰な老人が、残された老力を振り絞り全身の精気を股間に集中、見事チンコがそそり立つもそのまま息絶えてしまう、けれども老人の死に顔は満足気であった、彼は人生の最期を美しく全うしたのだ、と。そんな感動。一瞬の煌めきってやつ。このドラマは最終ゴールに賭けており、過程はダルいがラストで大爆発を引き起こす。途中で離脱するなんて非常に勿体ない。全国の離脱者に告ぐ。君たちは美味しい魚をみすみす逃し、クラゲにチンコ噛まれてチンコ腫れ上がっただけだよ。怪我しかしてないわけ。最後まで見届けた強者のみが、その膨れ上がった巨大チンコでクジラをFuckできるんだ。 つまりそういうことなので、これから酷評だけが続くけど最後は褒めちぎるんでよろしくどうぞ。 早速だけれども、葵わかな演じる主人公のおてんちゃん、ゲラ過ぎて終始ヘラヘラしてるだけだったわ。ぜっったい薬やってるよ、超ラリってたもん。おまけに存在感が弱くてマジ空気。 これホントに残念。スター・ウォーズのレイア姫を彷彿とさせるもっさり顔ってのも、なんか常に煽られてる気がしてムカつくわな。笑いの沸点が低いから基本的に抱腹絶倒してる、そういう毒キノコでも食べたのかと。怖いわ。 大体ね、主役なのに全然活躍しないってのは舐めてるよ。第44話でアイデア活かして冷し飴を売りまくるという、おてんちゃん大活躍エピソードがあるんだが、まさかのこれ一発限り。う〜〜んしょぼす!冷し飴売る以外は笑ってるだけで、ぜ〜んぶ他人任せ。 もっと主役としてドラマを盛り上げなきゃダメでしょ。何かしら危機が迫っても、ボケ〜っとヨダレ垂らして待ってたら、そのうち誰か助けてくれる感じ。脇を固める人間味溢れた面々の活躍っぷりに、おてんちゃん完全に喰われてしまってるんだわ。良いところはぜんぶ広瀬アリスや高橋一生や濱田岳に持ってかれてしまって、おてんちゃん笑ってる。 主役が地味で、脇が派手だとこうなってしまう、駄目パターンのお手本のようなね・・・後半からは特にそう。脇役にスポットを当てたエピソードが連なって、その場限り必死に盛り上げようとしてるのがキツかった。おてんちゃん、みんなに散々喰われて骨だけになってしまってたけど、相変わらず笑ってたね。おてんちゃんじゃなくて汚点ちゃんでしょ、もはや。 問題はまぁ、アイツにもあるかな・・・旅芸人の藤吉を演じる松坂桃李。旅の道中おてんちゃんと出会って、一緒に笑いを広めようと夫婦になって〜という、かなり重要なポジションにいながらも、おてんちゃんと同じくコイツも何もしない。アホかと。おまけに声が小さいわ。ボソボソごにょごにょと、あんたの口は肛門ですか?屁の音色でセリフ喋ってるんですか?と。松坂桃李目当てで『わろてんか』を観始めたファンが、ボソ声&棒読み演技をかます松坂桃李に絶望して、松坂桃李好きなのに松坂桃李のせいでリタイアするレベル。というか、松坂桃李も本編から離脱する。メインキャストなのに、かなり早い段階で、何も成し遂げずに死ぬ。・・・が、その後もすごい頻度で登場する。幽霊になって化けて出てくる。一体なんの執念なのかと。お、元気ないじゃん最近なんかあったの?みたいな、死生観が危うくなるくらい、さも当然のように出てくる。あんた生きてる時なにもしてないからね。みんなが必死に雪かきして道開けてるのに、おてんちゃんと一緒にコタツにこもって談笑してるような役立たずだったからね。それをね、俺は人気キャラクターだから視聴率回復に一役かいますかと、幽霊になってまでも図太く出てくるわけ。図太いといえば、俺のデカチンでイかせてあげるよと、図太い肉棒を無理やりねじ込まれても、こっちはまだ濡れてないから痛いだけなのに、ピストン運動ずっと続けてくる自己満SEXの図々しさなんかが、松坂桃李の藤吉とダブるね。 でもねでもね、松坂桃李の幽霊出没の意図がやっと分かるんだよ、最終回で。あぁ、そういうことかと。ドッと感動が押し寄せてきて、素敵な魔法にかかったみたいな幸せに包み込まれる。お笑い好きには堪らない最高のご褒美。新喜劇誕生を描いた至高の瞬間でもあるし、藤吉を中盤で死なせ、幽霊として度々登場させた目的もすべての答えがここにあった。笑いの可能性とか、素晴らしさ、吉本せいの偉大さにひれ伏したわ。これほどまでに最終回で爆上げするドラマも珍しいかもなぁ。とにかく俺は、今まで溜まりまくった不満がすべて消し飛ぶくらいには大満足な終わり方だったと思う。最終回だけがめちゃんこ良かったわけだけど、今までのクソだる過程があったからこそ実現できた最終回だから、クソだるいってのもなかなか侮れない。クソだるかったからこその達成感もあるし、クソだるかったからこその、耐えた者にしか得られない美しい世界がある。登山家が山頂に登りつめたときに見る景色、抱く感情、馳せる想いetc.・・・途中幾度となく下山を考えたか、意思が挫けそうになったかわからない。けど、今の俺は猛烈に感動している。ありがとう、わろてんか。ありがとう、おてんちゃん。そしてありがとう、松坂桃李。
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