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久しぶりのベン・アフレック出演作を観ました。 原題の「The Way Back」の意味は「帰り道」とか「ずっと前」とかの意味らしい。 主人公のジャック(ベン・アフレック)は建設作業員。 アルコール依存気味の彼は仕事中もシャワー中もアルコールを手放さず、一日中飲んでいる。 そんな彼が母校に頼まれてバスケットボール部のコーチを引き受け、自分の人生を見つめ直す…そんなお話。 まず冒頭からジャックの生活ぶりを淡々と描いたシーンから引き込まれました。 久しぶりのベン・アフレックの表情が実生活でも依存症と戦っているせいか、精彩もなくよどんだ瞳に驚きました。 役柄だけでなく彼の私生活を覗いているようで心配になるほど。 バスケのコーチを依頼され断るシミュレーションをしながら次々とビールを飲む、飲む、飲む。 その繰り返しのインパクトがすごい。 過去のジャックは有名なバスケの選手で年間最優秀選手に選ばれたほど。 そんな彼が弱小チームのコーチになってメンバーとの関わりの中でだんだん目的を持って進む所は良かった。 ぼろ負けから僅差のゲームを勝てるようになったチームの成長、メンバーの個人的な悩みにもアドバイスするジャック。 全体的にバスケの試合自体は描き方もテンポが良くて重くないのが良かった。 しかし、ジャックが背負っている過去の悲しい出来事があり、それがお酒の失敗となり人生をまた躓かせるのです。 アルコールや薬物依存との戦いの難しさ、社会復帰をしてもほんの少しのきっかけで元に戻ってしまうシビアな現実。 そんな姿をベン・アフレックがまさに等身大のモデルのようで痛々しかった。 でも彼には必要な役だったのだろう。 このギャヴィン・オコナー監督とタッグを組んだ「ザ・コンサルタント」も好きだし、ベン・アフには頑張ってほしいです。 何を演じてもベン・アフと言われることもあるけれど、今回はなかなか迫真に迫った彼自身を観られた印象でした。
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