
dreamer
3.0

Death Wish 3
Movies ・ 1985
Avg 2.8
"チャールズ・ブロンソン主演、マイケル・ウィナー監督で描く「デス・ウィッシュ」シリーズ第3弾 「スーパー・マグナム」" この映画「スーパー・マグナム」は、「狼よさらば」「ロサンゼルス」に続く、チャールズ・ブロンソン主演、マイケル・ウィナー監督のコンビによる、"デス・ウィッシュシリーズの自衛アクション"の第三作目の作品です。 妻や娘をチンピラ共に殺されたブロンソン。 法では証拠不十分で裁かれない犯人を、一人一人制裁していきます。 その彼が戦友を訪ねて再びニューヨークへやって来ます。 だが友は殺され、暴力集団化したチンピラたちは、数倍の激しさで悪事を重ねていきます。 そこで、三たび立ち上がったブロンソン対暴力集団の凄まじい戦いが展開していくことになります。 今まで押しつぶされていた市民たちはブロンソンの行動に快哉を叫び、次第に協力していくのです。 そしてこの映画のクライマックスは、機関銃や対戦車砲まで持ち出して来て、これはもう戦争です。 弁護士のデボラ・ラフィンが殺され、ブロンソンの戦いに、市民たちも銃を持って立ち上がります。 もう映画は、当時の荒廃しきったニューヨークの社会状況を反映して、完全に法で決する事を捨て去って、個人が強くある事への一方的な賛歌となっていきます----。 監督が「追跡者」や「スコルピオ」やこのシリーズを手掛けているマイケル・ウィナー監督だけに、単なるアクション映画として観る分には面白いのですが、その"語りの真実"に気付いて背筋がゾッと寒くなります。 確かに個人が強くある事、勇気を持つ事の尊さは否定しませんが、しかし、現代に合った、良き市民を守るための"法"を考える事を忘れてしまって本当にいいのだろうかという大いなる疑問が残ります。 挙句の果てには、警察までもがブロンソンを助け、にっこり笑って健闘を祈るなんて言って、これで果たして本当の平和が来るのだろうかと思ってしまいますし、アメリカ社会の"言い知れぬ怖さ"というものを感じてしまいます。 この映画の舞台となっている警察が74分署となっているので、恐らくブルックリン当たりの当時、最も治安が悪いと言われていた地区での、街々の荒れ様、チンピラたちの態度、リアリティは確かにあり、当時のアメリカのニューヨークの荒廃した一つの現実であったのは間違いないのですが-------。