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2019年207本目は韓国の『ブラインド』を中国に続き日本でもリメイクした、『見えない目撃者』。 -------------------------------------------------- オリジナルの韓国版はもっと分かりやすくバイオレントだったイメージがあり、犯人は刃物で容赦なく人をメッタ刺しにし、床には一面の血の海が広がります。対して日本版では犯人像が典型的な猟奇殺人犯・サイコパスとなっていて、「暴力」というよりも「グロ」「ゴア」に振り切った描写が多く見られます。これはどちらが良いとは一概に言い切れず、結果R指定にはなったものの邦画でよくここまで踏み込んだなぁと私は感心しました。 -------------------------------------------------- もっと分かりやすい相違としては、序盤で早々に犯人の顔を映し出し、犯人が法や規律を超越した「純粋な悪」として殺戮を繰り返すホラー要素強めの韓国版に対して、本作は明らかに「犯人当て」をメインとしたサスペンスになっています。日本ではテレビドラマで数々の「刑事ドラマ」がヒットを飛ばしていますから、そのニーズを汲み取っての改編なのでしょう。これが見事に成功していると思います。 -------------------------------------------------- 序盤で主人公が優秀な警察官であったことを畳み掛けるようにして示すシーンのおかげで、目が見えないハンデを背負ってもなお、彼女が活躍できる流れに説得力が生まれていますし、盲目の世界の住人の視点を独特の表現で示しているのもGood。一本筋の通ったサスペンスとして見れば、正直私はオリジナルよりもこっちの方が好きですね。 -------------------------------------------------- 終盤の展開があまりにご都合主義だし、話を引き伸ばすだけの蛇足が多すぎる!と言いたい人も多いと思うのですが、あの下りはオリジナルと寸分違わぬ再現度になっていますので、悪しからず。
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