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本国タイで記録的な大ヒットを飛ばしたサスペンスが満を持して日本上陸。この映画、130分とかなりの長尺なんですが、一瞬たりともスクリーンから目が離せません。次から次へとスリリングな山場が連続し、四人のキャラクター全員の魅力が存分に引き立てられ、娯楽大作として「完璧」と言う他ありません。 「カンニング」と聞くと狭い世界観を想定してしまうかもしれませんが、貧困にあえぐリンやバンクの家庭環境を引き合いに出しつつ、どんどんお話をスケールアップさせていく手腕といい、単なる一発逆転劇に終わらせることのない仏教の教えを彷彿とさせる見事な幕引きといい、ちょっとした違和感やしこりも残さない巧みな話運びに驚嘆です。 新宿武蔵野館のみの公開が満員御礼続きのスマッシュヒット、口コミでどんどん勢いを伸ばしテレビでも取り上げられるなど『カメ止め』現象に近い熱も感じます。確かに本作には、全速力で足首を骨折しながら駆け回るトム・クルーズ、巨悪に立ち向かうため終結する40人のヒーロー、敵に囲まれながらタンクローリーで往来するデスロードに匹敵する興奮と感動がありました。 ちょっとハードル上げすぎかもしれませけれど、純粋な楽しさありきの「エンタメ枠」なら今年のMVPはコレかな、と思わせる素晴らしい1本でした。
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