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2020年73本目は、クロマイト作戦の影で多くの学生兵が犠牲となった惨禍を描く『長沙里9.15』。 ------------------------------------------------------------ 戦争映画を見るたび自分の知らない事実に直面し、こんな酷い話があったのかと悲嘆にくれますが、今回もその例に漏れず。国益の名のもとにこれだけ多くの少年たちが戦争へと駆り出され、そして無惨に殺されていたとは全く知りませんでした。しかも彼らは単なる「捨て駒」で、敵の注意を引き付けるための「陽動」で派遣されたわけです。本来ならこれからの国を背負って立つべき若者を平気で切り捨てる、戦争の異常性を改めて感じます。 ------------------------------------------------------------ 『チング』のクァク・キョンテク監督らしく、本作でも少年兵たちの数々の友情秘話が描かれます。北朝鮮から脱北し韓国兵に志願した主人公と、彼に何かと突っかかってくるトラブルメーカーの絆がメインに据えられており、終盤にはちょっとグッとくるシーンもありました。ただ、全体としては「ありがち」で小粒にまとまり過ぎていると思います。1つ1つのエピソードの味が薄く、対立から和解に至るまでが早すぎて、若干醒めてしまいます。 ------------------------------------------------------------ 最初の戦闘は迫力があって良かったのですが、そこに時間を掛けすぎたのか肝心のドラマが引き立っておらず、主役級のキャラクターも中盤になってやっと登場する始末。流石にこれは遅すぎでしょう。ミーガン・フォックスがジャーナリスト役で出てたのは本当にびっくりしましたけど、彼女も必要だったのか正直分からないくらいの役どころでした。
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