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内容も評価も大賑わい、まさに激「動」だった前作とは対照的に、全体を通して大人の色気が漂う、「静」なテイストの作品。 ついに悪の枢軸「スペクター」が登場し、その親玉であるブロフェルド役にはアカデミー俳優・クリストフ・ヴァルツ。 大いに期待されたものの、ふたを開ければ、あまりにも小悪党のような描かれ方でガッカリ、という評価が多数。 しかし自分的には、よくある崇高な理想などからは程遠い、いやがらせ目的だけにテロを起こすような、最高に拗らせた性格というのが、いかにもクレイグシリーズの悪役を象徴している感じで気に入った。 ストーリーは正直、もうひと捻り欲しかったところだが、情緒・哀愁溢れる雰囲気はシリーズでも出色。 特に、ミスターホワイトの内面が描かれたこととその娘がボンドウーマン、というのがかなり良かった。 ボンドウーマンを演じるのは「M:I」にも出演したレア・セドゥ。二台スパイ映画の両方に出た俳優って結構珍しい気がする。 また、ストーリーはこれまでのクレイグシリーズとの繋がりが一層深い物に。ヴェスパー、M、クォンタムetc…への回想・言及が多くなされ、まさに総決算的な内容。恒例(?)のチョイキャラ・フクツも登場している。みんな気づいた? 公開後、クレイグがしきりに「もう辞める」発言を繰り返し、トム・ヒドルストンが新ボンド役に浮上するなど、クレイグシリーズ最終作になるんじゃないかとの憶測もあった本作。 確かに、シリーズの締めとしては少し印象が弱いところもあるが、続編公開が決まっている今となっては、落ち着いてこの深い情緒を味わうことが出来るだろう。
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