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2020年59本目は、三島由紀夫が死の直前に行った東大での討論会を取材するドキュメンタリー『三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実』。 ------------------------------------------------------------ 想像はしていましたけど、劇場は「三島世代」のご老人で溢れかえっており私が一番若かったんではないかと思います。序盤はかつての時代背景を証言や資料と共にプレイバックしつつ、三島由紀夫がいかにカリスマ的な人物であるかを見せていくんですが、正直そんなのは分かりきってる事実で少々退屈でした。ドキュメンタリーとしての作りはあまり上手いとは言えず、「ここで何故この解説?」と首を傾げたくなる箇所もチラホラ。 ------------------------------------------------------------ そんな中スクリーンに本物の三島由紀夫が登場しますと俄然、気持ちは高まります。当時の状況を踏まえると、とんでもない激戦が繰り広げられたのだろうと思いきや、ユーモアを散りばめながら一瞬で会場の空気を自分のものにしてしまうのは流石。その後も決して高圧的ではなく、本気で分かり合おうとしているところに彼の存在の大きさを感じました。 ------------------------------------------------------------ 当時の貴重なフィルムを目にすることができる意味では見る価値アリですが、やはり天才同士の弁論は凡人にとって付いていけない部分も多いです。途中で曲者かつ攻撃的な芥氏が出てきてからは、話のレベルが異次元になってしまい、何が気にくわなくて争ってるのか私にはサッパリ分かりませんでしたね…。もっと学があればと後悔するばかりです。
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