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オープニング、エッフェル塔?からひたすら降下する映像で始まり、エンドロールで抗争により変わり果てた街の様子をバックにひたすらクレジットが降下していく。 途中、主人公たちがエレベーターで上昇していく描写があるものの、双子の両親たちが終盤に降下させてしまう。 まずオープニングとエンディングから、とにかく「降下していく」話だと分かる。 メインテーマは、革命を起こしたい若者の実態、かな。 それをフランス人の双子の学生とアメリカ人の留学生を駒にして、イタリア人監督が撮るってのが粋だ。 文化大革命やベトナム戦争の話題もあったし、当時の革命なんて俯瞰すればこんな感じだったのかもしれない。 作品冒頭、パリのシネマテークという政府運営の映画館内で映画の世界に酔いしれていた若者たちに、革命の波が押し寄せる。シネマテークが閉鎖しれてしまうのだ。 ストーリーは、イザベラとテオという異常なほどに結びつきの強い双子の姉弟がアメリカ人留学生マシューと出会うところからスタートする。 いつまでも大人になれない、稚拙な双子の姉弟の元にも最終的に革命の波が押し寄せる構成になっている。 映画に夢中になり、2人だけの狭く幼い世界はマシューの介入によって次第に壊され始める。 テオは自分の分身であるイザベラを手放し、自分の理想とする革命が間違っているのではないかと疑念を抱き始め… イザベラは処女を捨て、初めて異性とデートをするが、テオとの繋がりが変化することに対して不安に駆られて… 一番主題に結びつくと思ったのが、テオの主張の矛盾だ。 ベトナム戦争でのアメリカ軍の人殺しを暴力だと批判しておきながら、ラストは機動隊に向かって火炎瓶を投げ、暴力で訴えている。 マシューもその逆の順序で矛盾した発言をしている。 大義名分を掲げて革命を起こそうとしていた若者たちはこうも幼く矛盾だらけの思想を持っていた、という痛烈な風刺な気がした。 しかし、3人の若者たちが美し過ぎたなぁ… ルイ・ガレルさん目当てに観たけど、あんなに素ッ裸だとは思わず、驚いた。ちょっと若いガレルさん、めちゃキレイだったな。 エヴァ・グリーンもマイケル・ピットもキレイだった〜… 目の保養にも良い。
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