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個人的に特別な感情(※余談※)は持っていたが、障害をベースにした感動作は基本的に予想通りだしなぁと平静を装っていたら、とにかく泣いた、泣いた。 ▼ この作品がいわゆる「感動系」から頭一つ出ていると思ったのは、オギーの周囲にもしっかりスポットを当てて描いたからだと思う。 オギーは聡明だし素直なんだけど、じゃあ自身を変えて何か行動したかっていうとそうじゃない。 学校へ行ったのはもちろん勇気が必要な行動だが、それ以外はオギーをキッカケに周囲にドラマが起こる。 作中の言葉を借りると、オギーを見る目をみんなが変えた、それに尽きる。 ▼ 涙腺崩壊は内容もさながら、それを上回ったキャスト陣の演技力のような気がする。 ▪︎オギー役ジェイコブ・トレンブレイ 『ルーム』観ておいて良かった。天才。彼の演技で泣くなっていう方が無理だ。 ▪︎母イザベル役ジュリア・ロバーツ。 オギーが初めて友達を連れて学校を出てきた時、迎えに来ていた表情、すごかった!アナタに特別な思い入れがあるだけに泣いてしまった。 ▪︎姉ヴィア役イザベラ・ヴィドヴィッチ 一番心が動かされた。障害を持つ弟の姉という立場の心の動きが痛いほど伝わる。 自分だって辛いことがあるのに、彼女はいつも自身の役割をこなそうとしていた。 絶対幸せになって欲しいと心底思っていたから、ジャスティンとの恋やミランダとの仲直りは本当に良かった。 オギーにかかりきりの母イザベルも、ヴィアの出演する舞台を観劇し、ヴィアと過ごした時間を思い出す。 (たぶん、ここが一番泣いた) ▪︎父ネート役オーウェン・ウィルソン オギーに男しての対応、ヴィアへの気遣い、イザベルのフォローを茶目っ気交えつつこなす。 女房の尻に敷かれているかと思いきや、父親として決めるべきところはちゃんとする。これが一家の大黒柱なんだなぁ。 ▪︎上記はあくまで家族。学校にはサマー、ジャックといったオギーの友達になる魅力的な子がいたし、演じる子役達はみんながみんなうますぎた。 ▼ 「正しいことをするか、親切なことをするか迷ったら、まずは親切にしよう」作中に出てくる格言は私の心に深く刻まれた。 -----※完全に余談※----- 私は高校生まで、雑誌「スクリーン」と「ロードショー」を購読していた。(今もあるのかな?) 何を隠そう、中1でジュリア・ロバーツにハマり、彼女目的で購入したのがキッカケ。 ファンだったものの、私も年齢を重ねるにつれ、嗜好が変わり、何よりも私が見たい、好きだな、と思う映画にジュリア・ロバーツの名前はなかった。 近年は、彼女が出演しているから観る、ということはなくなっていたのに、予告段階で久々にこれは観てみようと思っていた。 すごーく良かった。あぁ、私はこうゆう表情をするジュリア・ロバーツが好きだったんだ。 大きな口で笑う、力むと浮かぶおでこの筋。 そして障害の子を持つ強くて優しくて偉大な母を演じられるようになっていた。 昔、彼女がある番組で、俳優を目指す若者たちに向け「スクリーンの向こうで待ってるわ」と言ったことがある。 ジュリア・ロバーツ。 私は「スクリーンの前」で、こんなアナタにまた会えるのを、ずっと待っていたのかもしれない。
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