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「究極のすれ違いラブストーリー」 これはやられた。また似たり寄ったりのティーン向けスイーツ映画なんだろ、しかも「青空エール」でしてやられた三木監督かよ、とタカを括っていたがメッチャ泣いた。余韻がある今の勢いで言っちゃうと最近の恋愛映画ではトップレベルなんじゃないか。 まずこの映画は台詞や仕草が伏線として機能しているコトが多い。前半は普通のラブストーリーとして進行していくので、ちょっと退屈だが、この前半部分が伏線の宝庫。そして中盤から普通のラブストーリーとはガラリと世界が変わっていく。中盤からの切なさは半端ない。前半の2人の一挙手一投足がああいう意味だったのかと思うとホント泣ける。 その変わった世界の内容にはあまり突っ込まなく、ただただ2人の恋愛に重きを置く思い切りの良さも良い。こういうのって説明とかしてるとどうしても粗を探してしまうしな。なので2人に純粋に感情移入できる。 これなあ、殆どがネタバレになるからここじゃあまり描くことないんだよなあ。とにかく見てとしか言いようが無いな。こういうジャンルって出尽くした感はあると思ってたけど、この映画を見るとまだまだイケると感じたのも嬉しい。見終わった後もう1回見たくなる訴求力もある作品。とにかく泣きたいなら見るべしな傑作だった。 不満というか強いて言えば小松菜奈がまだ「渇き」のエキセントリックイメージから離れてないので、他の人でも良かったかも。まあ演技上手いし泣けたんだけどさ。最近「溺れるナイフ」見たから余計にそう思うわ。あと京都が舞台なのに関西弁じゃなかったのも残念かな。まあそんなコトは些細な顛末で、1番の不満はタイトルでネタバレしてるコトか。流石にこのタイトルできっちり正解とまではいかないと思うが、それでももうちょっとなんとかならんかったのか。 ----------ここからネタバレ---------- 普通の映画なら運命に抗って一緒にいられましたってなるんだが、この映画はそうならなく、切なさは切なさのまま終わるのが感動倍増。ラストでは愛美視点で振り返るのがもう落としにかかっている。愛美にとっての最後の日、高寿にまた会えると言った裏で泣いていたのはマジ泣きすぎた。
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