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アピチャートポン・ウィーラセータクン監督・脚本によって製作された2010年のタイ映画 ・ 第63回カンヌ国際映画祭において、タイ史上初めてのパルム・ドールを受賞した , 腎臓病を患い、自らの死期を悟ったブンミは、亡き妻の妹ジェンを自宅に招く。昼間は農園に義妹を案内したりして、共にゆったりとした時間を過ごす。彼らが夕食のテーブルを囲んでいると、唐突に19年前に亡くなったはずの妻の霊が姿を現し…。 ・ カンヌ国際映画祭の歴史の中で、アジアでパルム・ドールを受賞したのは日本と中国だけだった。日本が4回で中国が1回というアジア映画には狭き門。そんなパルム・ドールをタイ映画で初めて受賞する快挙を成し遂げた作品と聞いたら、アジアに生きる人間として観ないわけにはいかない。 ・ なんだこれ?タイトルから勝手に温もりのあるヒューマン映画だと思っていたら、なんて感覚的な映像を撮る監督なんだ。死期を悟った人間が過ごす森で起こる奇妙な出来事を描いているんだけど、それがシュールで説明もないから、かなり呆然とすることになるかもしれない。死んだ嫁やら息子がすごいことになってるし、ナマズとエロスという組み合わせでもう混乱してくる。 ・ 理解できる人は少ないと思うけど、こういう感覚的な映画を撮れるのは才能としか言いようがないからなあ。パルム・ドールを受賞したのは驚いたけど、カンヌ国際映画祭は審査委員長になる監督によって受賞作品のタイプが全く違うからね。この時の審査委員長はティム・バートンで、見たこともないファンタジーの要素があるっていう理由らしい。 ・ これはもう映画というより、人の夢をのぞき見しているような作品だ。自信を持ってお薦めできる作品ではないけど、こんな映画は観たことないし、パルム・ドールを受賞したアジア映画ということで、一度ぐらい観てみるといいかもしれない。
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