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Schindler's Memo

Schindler's Memo

6 years ago

1.5


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Helter Skelter

Movies ・ 2012

Avg 2.8

前作の「さくらん」が、割とマトモな女の一代記であったので、少し期待して観始めたのだが、いったいどうしたことだろう。 まるでミュージック・コンクレートのような作りであり、監督がやりたかった事だけをパッチワークのように繋ぎ合わせた映像集の如くだ。蜷川実花が、どれ程の写真家であるのかは全く知らないが、本作は、恐らく彼女の「動く写真作品集」なのであろう。 従って、その感性に共鳴できない限り、全くの駄物としてしか写らない。「りりこ」の部屋を始めとした、観客の網膜が一様に染まるかのような強烈な原色、花、羽、蝶、薬のカプセルなどの彩度を極端に上げた小道具、気取った詩を無味乾燥に吟ずるかのような台詞、映像とのマッチングを拒否した音楽・・・、やりたい放題の喧騒の渦である。 俳優も、監督自己表現の道具の一つであって、それ以上でない。特に気の毒なのは沢尻エリカであろう。彼女は、何だかんだと言われても、邦画界に久しぶりに出た、博多人形系の美人女優である。妙な消耗を強いられた使われ方になってしまったのではないか。心配になってしまった。この後、彼女は実際壊れるのであるが・・・。 この映画、恐らく企画当初の段階では、人工美とナチュラルな美との対比とかの通奏テーマや、大森南朋と原田美枝子とのサスペンスフルな対決なども、構想としてあったのではないだろうか? それらが監督の原色ギトギトの絵筆でもって、一様に塗り固められたのではと、変に邪推してしまうよな出来になってしまった感じがした。