
dreamer
1 year ago

Patton
Avg 3.3
まず映画の冒頭で、画面一杯に広がる星条旗。 その前で、一人の男が敬礼する。やがて彼は階段を降りて、こちらへとやって来る。 フランクリン・J・シャフナー監督のアカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞等を受賞した「パットン大戦車軍団」のトップシーンだ。 その男の名はパットン将軍。第二次世界大戦で勇将の名を欲しいままにした、アメリカ陸軍の英雄だ。 この映画は、パットンというアメリカの英雄を描きながら、ヒーローというイメージの本質に迫っていく。 アフリカ戦線でロンメル軍団を撃破し、パリ解放の一翼を担ったパットン将軍。 そんな男も、極度の自己過信と自己陶酔、そして共産主義嫌いの国粋主義によって、身を滅ぼしていく。 一人の狂的な男が、巨大な国アメリカを象徴するという現実。 この映画は、アメリカの英雄の素顔を暴き、こういうファシスト的な男が星条旗を背負っているという真実に、リアルに迫った異色作だと思う。 この映画は当時、ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカの知識階級が、かつてのアメリカの栄光に疑問を投げかけ始めていた時代だったのだ。