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YOU

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5 years ago

3.5


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Godzilla

Movies ・ 1998

Avg 2.5

Jul 07, 2021.

ローランド・エメリッヒが監督・共同脚本を務めた、1998年公開のリメイク作品。 本作はオリジナルから設定を大幅に改変しCG技術をふんだんに取り入れた初のハリウッド製ゴジラ映画にして、公開当時は国内外で大きな物議を醸した事でも有名な作品。自分も『ゴジラvsコング』の公開でゴジラ熱が高まっているこのタイミングでようやく鑑賞しました。率直な感想としては、ゴジラ映画感は無いものの十分面白かった!もっと言えば「後半以降はどんどん面白みが増していく作品」でした。やはり前半では、土台となる設定・世界観とこちら側の「ゴジラ映画を観る姿勢」との齟齬が諸々の”これじゃない感”を生み出しますが、話が進むに連れ本作はそもそも「そこまでゴジラを意識した作品ではない」という事が分かってくると次第にこちら側のゴジラ史観も薄れていき、後半以降は「エメリッヒ印のSF超大作」として純粋に楽しむようになりました。むしろ本作は各所で指摘されている通り『原子怪獣現わる』(1953)からの影響が大部分を占めている為、そもそも目指す方向性が違う作品に日本版との相違点をあれこれ論っても仕方ないと思います(「だったら”GODZILLA”なんて銘打つなよ問題」はまた別の機会に)。ただよくよく振り返ってみると、実はゴジラ映画的な演出も随所に配されてはいます。冒頭の漁船襲撃シーンは怪獣特撮における鉄板の掴みですし、主人公が科学者とマスコミ記者というのはいかにも東宝特撮映画らしい設定ですよね。ただこのヒロインの記者オードリーがあまりに酷い言動を取る迷惑な女として描かれており、それにより物語がいちいち停滞する上に全体のスケール感や緊迫感もその都度削がれるというマイナス点は確実にありますが、これはローランド・エメリッヒがゲイだからという致し方ない事情によるものだと思われます(笑)。あとせっかく東宝映画的な人物配置でバランスが取れているにも関わらず、中盤以降はそこにもう一枠ジャン・レノが割り込んでくるじゃないですか。後半の展開は確かに面白いですが、あれが無ければ上映時間は100分以内に収まる上にもっと怪獣映画濃度の高い一作になったと思います。 他にも単純に映画として言いたい事は色々とあるのですが、この良くも悪くも”アメリカナイズされたゴジラ映画”というのが今となっては唯一無二の地位や魅力を確立しているとは言えますし、ましてや観る価値が無い作品などとは全く思いません。特に終盤の『ジュラシック・パーク』的な密室モンスターパニック展開とそれに対し主人公達がその都度頭を使って危機を脱していく様子には、日本のゴジラ映画とはまた違った独自のスリルやサスペンスがあります。また本作は、同様に「ゴジラにはさして思い入れが無い監督が作ったゴジラ映画」である『シン・ゴジラ』、そして逆に「ゴジラオタクを自称する監督が作ったゴジラ映画」であるギャレス・エドワーズ版『GODZILLA ゴジラ』などと見比べてみても非常に興味深いと思います。同じ話でも文字通り三者三様、世界観から語り口に至るまでそれぞれ全く異なる印象ですよね。当時の凄まじい酷評されっぷりと138分という尺の長さからこれだけずっと後回しにしていましたが、おみそれ致しました。 『FAINAL WARS』では正式に怪獣として迎え入れられた訳ですから、モンスターバースでもこの子が大暴れする姿を是非見てみたいです。新旧ハリウッドゴジラの2ショットが実現すれば、これは史上最大級の盛り上がりを見せること間違いないでしょ。ワーナー・ブラザースとレジェンダリー・ピクチャーズの上層部の方々、どうかひとつ宜しくお願いします。