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Jenny

Jenny

4 years ago

4.0


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Mr. Jones

Movies ・ 2019

Avg 3.5

Apr 01, 2022.

日本では余り知られていない、世界恐慌の1932〜1933年に起きたソ連による人為的な大飢饉(ホロドモール)を描く、実話です。 その舞台となるのが当時ソ連の一部とされていた、ウクライナ。スターリンの"新しい時代を築く為"の政策と称して引き起こされたこの大飢饉では、少なくとも400万人から1450万人が亡くなったとされています。 自分達が育てた穀物を全て搾取され、始めは残された家畜を、その次にペット、そして樹皮や革製品を食べ、身体的にも精神的にも極限まで追い込まれた人々はやがて、病や飢餓で亡くなった身内や自らの子供を食べるまでに。 それにより疫病が蔓延し、道端には飢えて亡くなった人々の亡骸が放置され、我々の想像を絶する地獄の様な状況だったのだろうと。 これ程までに悲惨な出来事が、当時のナチスドイツのホロコーストより知られていないのは何故か。それは周辺諸外国に侵略を仕掛けたドイツとは反対に、厳戒態勢で完全にウクライナ地方を西側諸国から切り離した事によるものなんですよね。 本作は、当時その閉ざされたウクライナにたった1人で潜入し真実を告発したジャーナリスト、ガレス・ジョーンズ氏の伝記でもあります。 終盤にあの『市民ケーン』のモデルとなった新聞王ウィリアム・R・ハーストも登場し、史実が明らかになっていく様はとてもリアルに感じました。 この終わりの見えない侵略が続く今だからこそ、多くの人が観なければならない映画ですし、 ジャーナリズムとは何か、独裁者と国民の関係性とは何か、非常に考えさせられるものが有りました。