
uboshito

Brave Citizen
Avg 4.5
Jun 09, 2025.
生まれついてのイジメ加害者「顔」のイ・ジュニョンは、これまでもいじめる側の役を何度かやっているが、今回、かつてないほどに異常なキャラクターを割り当てられており、この解決しないイジメ(というかもはや凶悪犯罪)が映画の中盤まで延々と続けられるので、見ていてかなりストレスは溜まる。っていうか取り巻きも相当に異常。最大の異常はスガンの母親だろうけど。あのキチガイぶりは韓国映画史に(悪い意味で)残りそう。とはいえ韓国のウェブトゥーンでは、すでに異常ないじめ加害者は頻出しまくっているので、もうそれを映画にしようがドラマにしようが、斬新さは感じられないという問題が生じている気もする。 で、そんなストレスの中、「勇敢な市民」は一体いつ、発動するのか?と思うけど、だから映画の中盤まで出てこない。明らかにシン・ヘソンがこの「勇敢な市民」のはずなんだけど、もう許せない!と思い切るまでに、大体50分くらいは割いている。この溜めに溜めてからの正義の具現者の登場、というのは韓国映画ではよくあるパターンで、すぐに出てきて大活躍、みたいなのはマ・ドンソク映画くらいで、それ以外は結構、観客を居心地の良い安全地帯に置いてくれないという意地悪さみたいなものが散見される。 まあ、とはいえ。いじめって実際の度合いはどうであれ、被害者側からしたら受ける精神的ダメージは、全部この映画で描かれたのと似たような感じなわけで、傍観者という名の加害者はよく「大したいじめではない」などと言うけれど、いじめに大きいも小さいもあるわけない。卑劣な加害行為は醜悪で吐き気しか催さない。人間のクズ。それをデフォルメして描くのは良いとして、最終的にぶっ倒してカタルシス、っていうのをひたすら待つわけだけど、この主人公が意外にもそこまで強くない。だからちょっとリアリティがありそうな気が一瞬するものの、でもやっぱり左腕をざっくり切りつけられてるのに戦えるの?という疑問は湧いてしまってプラマイゼロ。 映画自体は、112分を感じさせないテンポの良さで進行していくし、物語の不整合も感じられず見ていられるが、どうしてもトラウマ級に変態加害者しか出てこないことと、最終的な解決が警察ってどうなのか…と思ってしまう。もう少し、勧善懲悪的に正常な形で悪を駆逐してくれていたら評価は上がったと思うけど、脚本が途中で失速してしまった感は否めない(凡庸だけど、陰で制裁するとかね…公開試合ってなんやねん)。お涙頂戴を忌避しすぎるとこうなっちゃうよという見本みたいな映画。 【視聴:WOWOWオンデマンド】