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この映画「子連れ狼 冥府魔道」は、シリーズ5作目の作品で、1~3作目までを撮った三隈研次監督がメガホンをとっている。 黒田藩が差し向けた五人の藩士が、刺客を依頼した拝一刀の腕試しに、いちいち対峙しつつ一刀に敗れ、死んでいく間際、依頼に関する重要な内容を少しずつ話していくという、謎解きの展開が、実に斬新で面白い。 藩士自身が刺客でもあり、殺しの人柱でもあるのだ。 なかでも、いつもの調子を抑えた山城新伍の不気味さが際立っている。 そして、原作の劇画の中でも重要な名場面である慈恵和上と一刀の禅問答のシーンも再現していて、加えて、これも原作の名シーンである水中から慈恵和上を奇天烈な方法で殺害するシーンも再現していて、大いに楽しませてくれる。 三隅研次監督の割には、前半はゆったりしたテンポで進むが、後半、黒田城内での殺陣は、凄まじい迫力で見せてくれる。 また、大五郎人気が高まりつつあったせいか、大五郎のエピソードも多く割かれているのも嬉しくなってきます。 特に、佐藤友美が演じる女スリが関わった事件に巻き込まれた大五郎のエピソードは、全シリーズの中でも特に人情味あふれる演出になっていたと思いますね。
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