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【私的アニメーション映画50選】 【主題歌が好きな映画】 ◇やさしさに包まれたなら/松任谷由実◇ 魔女の習わしに従い、13歳で親元を離れ、見知らぬ街でしっかりとした自分の居場所を見つけようと頑張る魔女っ子キキの姿に多くの人が共感した本作、私も公開当時はそうだった。 しかし時を経て、この歳になってひさしぶりに観た今、キキではない、ある人物に思い切り感情移入している自分に気がつく。 そう、キキの親父さんに。 冒頭の、旅立ちを決意したキキとの場面、高い高いをせがむキキを抱き上げて、ぽつりと、 「いつのまにこんなに大きくなっちゃったんだろう・・・」。 その気持ち、今ならすごくわかる。 私には26歳になる娘がいて、あと1ヶ月と経たず嫁入りしてしまう。 そんな状況だから余計になのかもしれないが、ふとした拍子に今の娘の向こうに、例えば3、4歳の頃の本当に幼かった頃の姿が浮かんで、はっとするのだ。 まさに 「いつのまにこんなに大きくなっちゃったんだろう」 って。 だからもう、この場面だけで、うるうる。ラストで、キキからの手紙を受け取ったときの親父さんの嬉しそうな顔も我がごとのように好ましい。 心地のいい久石譲の音楽、自分も住みたくなる海辺の街の風景、キキのまわりの心優しい人々・・・そしてキキがず~っと(ほうきではなく)デッキブラシで空を飛んでいるラストシーンが、バックに流れるユーミンの名曲「やさしさに包まれたなら」とも相まって気持ちが和んでいく名作。 ジブリ、というよりも宮崎駿作品の中では一番好きな映画だ。
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