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2019年35 本目は昨年シネマート新宿で五回限定上映されていたLGBTムービーで、その時はどれも立ち見続出の満席だったために見ることが叶わなかったんですけれど、好評を受けこの度拡大公開が決まったということで見に行って来ました『ゴッズ・オウン・カントリー』。 主人公のジョニーが荒くれるのも頷けるほど、彼の置かれた環境は「ザ・寂れた片田舎」。娯楽も生活の余裕もなく、ジョニーにとってセックスは単なる欲望のはけ口です。しかし、ゲオルゲが現れてからそれまでは完全に「攻め」だったジョニーが恋に夢中になり、全く正反対の「受け」に転じていく過程が非常に面白かったです。 これ、そんじょそこらのラブロマンスより何倍も激甘な描写満載で、一つ一つのラブシーンにもちゃんと意味がありますし、LGBTというキーワードぬきにしても単純にラブストーリーとして見応え抜群でしたね。 ところが本作の見所はそれだけに留まらず、真骨頂はジョニーと家族の関係性にあると思います。反りがあわず病気で介護が必要な父親や、直視できない現実に心を痛めながらも優しく見守り続ける祖母との関係の変化に、是非着目して見てほしいなと。 ちょっとこれはゲイ映画だからって理由で見逃すのはもったいない1本になっていると思います。
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