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「モキュメンタリー」であることを殊更に強調した結果、あからさまなフィクションが悪目立ちし、できの悪いコントに堕してしまった。 にもかかわらず不思議な清涼感をもって鑑賞し終えたのは、ささいなエピソードが見事に伏線として回収され、泣き笑いの多幸感あるラストシーンへと誘ってくれたからだ。 そういう着地点にするなら、徹頭徹尾、不器用な主人公のみに焦点を当て、最後までドキュメンタリーの体裁で追ってほしかった・・・。 と思いながら関係者のインタビューを複数読んだところ、やはり監督はドキュメンタリー的な演出にこだわっていたことがわかった。 そしてあの悪質なコントは、あくまで脚本家の意向であった。あの小劇場感というかテレビブロス的な笑いさえなければ、と返す返すも惜しくなる。このサブカルクソ野郎め! もしかしたらニューシネマパラダイスになれたかもしれない作品、と言ったら褒めすぎだろうか。 (あくまでコント部分を除いての話)
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