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cocoa

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4 years ago

3.0


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The Mole Agent

Movies ・ 2020

Avg 3.2

妻を亡くしたばかりの83歳の男性セルヒオが主人公。 探偵事務所のロムロの依頼を受けて、ある老人施設に潜入捜査をすることになる……そんなストーリー。 チリ出身の女性監督が描くフィクションとドキュメンタリーの狭間のような作り方。 サンティアゴ老人ホームの命名から舞台もチリなのかな。 施設で虐待が起きていないか、盗難が起きていないか、それを調べるためにスパイとして潜入するセルヒオ。 初めて使うスマホやメガネ型カメラなど一生懸命に使う姿が愛おしい。 セルヒオは物腰が柔らかく優しい男性。 その紳士的な振る舞いですぐに人気者になる。 依頼者の親である入居女性ソニアとは親しくなれないけど、他の女性たちの話し相手をしながら、毎晩ロメロに報告をするセルヒオ。 入居者はみんな孤独でさみしい。 セルヒオが家族の顔を忘れそうと泣くルビラに家族の写真を取り寄せて支えるシーンは良かった。 そして「詩」が得意なベティタが亡くなる前に残した「詩」の朗読もじんわり。 スパイとして潜入したセルヒオが施設で気づいた自分の考えをぶつけるラストがまた良い。 「今回の仕事に意味はあるのか」 「本来、依頼人が自ら行うべきだ」 「入居者はみな孤独」 「手厚い介護を受けているが、必要なのは家族の愛情だ」 確かに依頼人は一度も面会に来ていない。 優しい物腰のセルヒオが自分の考えをはっきり言った、これこそがテーマだと思った。 介護の実態はいろいろあって、現実はとても難しいテーマではあるけれど、生きている間は最低限の尊厳が必要だと改めて思った作品です。