Comment
Comment
Till
star4.5
2017年に公開された『ジャスティス・リーグ』のディレクターズ・カット版。 劇場版の製作中、娘の急死によりザック・スナイダーが監督を降板。ジェス・ウェドンが監督を引き継いで何とか公開までこぎつけるも、興行的にも批評的にも決して成功とは言えない結果となった。しかし、降板前のザック・スナイダーの初期構想作品を求める声が上がり始め、それが「#ReleasetheSnyderCut(スナイダー・カットを公開しろ)」というムーブメントへと発展。そのファンの願いがついに実り、2020年5月、ワーナー・ブラザーズがスナイダー・カットを2021年に配信すると発表した。本作は、そんなファンの熱意によって完成に至った奇跡的な作品なのです。 上映時間は脅威の242分で、これは劇場版の約2倍に相当するのだが、無駄なシーンはほとんどなく(最後の続編につなげる感じの演出は若干長く感じたが)、単独映画がない分(劇場版公開時はスーパーマンとワンダーウーマンのみ)キャラクターを深掘りするためには必要な時間だったと思う。そして、何より凄いのはその長尺を全く飽きさせないような作りになっていること。さすがに4時間なので時間を感じさせないとは言わないが、時間を感じても嫌にならない、というかむしろこの至福の時間がもっと続いてくれとさえ思う。そのくらいエネルギーに満ちあふれた作品で、鑑賞後の余韻とか満足感はハンパじゃなかったです。 また、『ダークナイト』から始まったDCのダークな雰囲気、それが『マン・オブ・スティール』では完全に裏目に出ていたのだが、本作では、それぞれのキャラクターの「葛藤」を描きつつも、そのシリアスな方向へと引っ張られすぎていなかったのはよかった。特にフラッシュとサイボーグの辛い過去や現状が映し出されるのだが、そこで変に湿っぽくなりすぎず、結果的にはポジティブな成長物語に仕上がっている。「正義」と「悪」に悩むヒーローを描いた『ダークナイト』は映画的には面白かったけど、やっぱりヒーローものとしては勧善懲悪のシンプルなストーリーのほうが向いてるなぁと改めて感じました。 「娘の自殺」というショッキングな経験をしながらも、このような傑作を完成させてくれたザック・スナイダーにはもう感謝しかないです。続編はかなり厳しいようですが、もし製作するとなれば、ぜひ彼に監督をしていただきたいですね。
80