
ジュネ
3.0

Bloodshot
Movies ・ 2020
Avg 3.1
2020年64本目は、筋肉ムキムキ男ヴィン・ディーゼルがアメコミのヒーローを演じるアクション『ブラッド・ショット』。 ------------------------------------------------------------ 本作はマーベルでもなくDCでもない、ヴァリアントコミックスの主要キャラクターを主人公にしていて、これをきっかけに第3のアメコミユニバースを展開するはずでした。ところがコロナ禍の影響をモロに食らったせいもあって、結果は大コケ。ユニバース計画も完全白紙に戻ってしまった実に不遇な作品です。 ------------------------------------------------------------ 異常なまでに進化したテクノロジーのおかげで、主人公は無敵の力を手に入れるんですけど、血液中を小さなナノマシンが駆け巡るシーンを始めとして、非常に斬新な見せ方はできてると思います。敵側の強化アームや高速で走れる義足など、次から次に出てくるガジェットには心が踊りました。ところが残念なことにこれらが前面に押し出される「見せ場」が明らかに少なく、話し運びがやたら鈍重でどうにもスカッとしない。 ------------------------------------------------------------ 主人公がサイボーグとなった後に真の陰謀に気付くという筋書きはあまりに平凡ですし、何だったらそんなの映画を見始めた段階でほとんどの人がわかってると思います。その鬱憤を晴らすのが筋肉バカ(失礼)の大立ち回りやヒロインを演じるエイザ・ゴンザレスの美貌になるはずなんですが、本作は出し惜しみをしてしまったがゆえ、微妙な仕上がりとなっています。 ------------------------------------------------------------ 監督のデイブ・ウィルソンは今回初めてメガホンを取る人で、脚本のジェフ・ワドロウは『キックアス2』でシリーズ化の野望をぶち壊した汚名がありますから…ユニバースを狙うならもう少し安定した布陣で望むべきだったのでは。