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この作品は独りで救助を待つ毎日を描いた前半、救助にきたヘリが墜落し、瀕死の女性乗組員を懸命に介抱する中盤、そして彼女を救うために自力での脱出を試みる後半の、3つの場面で構成されています。 ♢♢♢ 前半は過酷な環境ではあるものの、日々ルーティンどおりに救助を待つ様子はどこか牧歌的でもあり、「可能な範囲の努力」に人が安住してしまう様が印象的。 しかし後半、女性を救うために「自身の限界を超える努力」が必要となると様相は一変します。 ♢♢♢ 何度も心が折れる場面が続き、独りならそこまで頑張れないことを何度も痛感します。 彼をそこまで奮い立たせるのは、ただただ救うべき女性の存在です。 「大丈夫だ」「すまない」 あの状況で、独りなら決して出ないセリフを繰り返す主人公に人間の尊さ、人は他人のためならこんなにも強く優しくなれることを教えられます。 ♢♢♢ さすが「北欧の至宝」マッツ・ミケルセン! ほとんどセリフのない作品ですが、彼が演じる必然性を感じさせてくれる秀作。 セカンド上映最終日にスクリーンで観られて良かったです。 (2020.1.24@新富座)
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