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球界には「名選手、必ずしも名監督にあらず」といった言い伝えがあるが、中には知将の名を欲しいままにした野村克也や落合博満のような例外もある。 シェイクスピア俳優としても有名なケネス・ブラナーは、まさしくその例外に相当するプレイングマネージャー(俳優兼任監督)であるが、本作では新しいポワロ像を構築することに腐心する余り、殺人事件の容疑者となる俳優たちから、観客の感情を揺さぶるような演技を引き出せていなかったように思う。誰も彼も印象が薄いというか、ジュディ・デンチやオリビア・コールマンといったオスカー俳優に至っては、実力を出し切れないまま終わってしまった感が強いと思う。
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