
忍之閻魔帳
10 years ago

When Marnie Was There
Avg 3.1
Jul 19, 2014.
心を閉ざした12歳の少女が、謎の少女マーニーとの交流を通して 前向きになってゆく姿を描いた米林宏昌監督の長編2作目。 ヒロインの杏奈は、人の輪の中で上手く立ち回れない ことに苛立ち その責任を誰かに押し付けているようですが、 実は全てが自分の性格に起因していることも自覚しています。 不幸を呼び込んでいるのは自分で、悪い箇所もわかっているのに直せない。 思春期に人付き合いで苦悩したり自己否定をした経験のある方ならば、 杏奈の不器用な生き方に心を重ねずにいられないと思います。 マーニーとの出会いを通じて受け取った 『今がどんなに孤独でも、 あなたも誰かに愛されてこの世にいるんだよ』という 大らかな愛のメッセージは、児童文学ならではの温かさ。 「魔女の宅急便」あたりのジブリ作品が放っていた 良い意味で『重厚でないジブリ』の良さがたくさん詰まっていて オールドファンは感涙モノではないでしょうか。 杏奈の心を映したような空模様の変化が印象的。 北海道に向かう電車の上には厚い雲がかかり、 今にも泣きそうだった空が、ラストでは晴れ渡っています。 思春期の葛藤は、言わば人生の梅雨。 梅雨が明ければ、ひときわ青く高い空が待っているものです。 宮崎駿・高畑勲の二大巨頭が退いても ジブリは大丈夫と思えるクオリティなのですが 残念ながらジブリは版権管理だけのスタジオになりつつあります。 今回のオスカーノミネートが、米林監督の再始動に繋がることを期待して。