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メトロ・ゴールドウィン・メイヤー社(MGM)の創立50周年を記念して1974年に製作されたアメリカのミュージカル作品のアンソロジー映画 ・ かつて誰もがミュージカル映画を愛した時代があった。30年代から50年代のミュージカル黄金期は、そのままハリウッド黄金期だった。その時代を作り上げた会社がMGMだった。サイレントからトーキーに移行した時代に、いち早くミュージカルで時代を築いたMGMの歴史、それはハリウッドの歴史。 ・ トーキーに移行したことにより、映画関係者がパニックに陥った中で、リンチンチンだけが冷静だったという有名なジョークがある。リンチンチンとは史上初のスター犬。そんなパニックの中で、ミュージカルこそがトーキー映画というスタイルに適したものだと、推し進めたのがMGMだ。 ・ 冒頭にいきなり大スター、フランク・シナトラの紹介により、MGMのテーマ曲と言ってもいい名曲「雨に唄えば」の歴史が語られる。そして、ジーン・ケリーの呼び掛けにより集結したスターたちが、次々にMGMの歴史を紹介していく。フレッド・アステア、ビング・クロスビー、ジーン・ケリー、フランク・シナトラ、エリザベス・テイラー、ライザ・ミネリなど、一時代を築いたスターたちがバトンを繋いでいく。 ・ 世界記録を持っていた競泳選手だったのに、水中ショーのスターになった特異な女優、エスター・ウイリアムズなんかは興味深い。モナコ王妃となったグレース・ケリーや、ジーン・ケリーと踊るアニメのトムとジェリーの映像もたまらない。二大看板としてジーン・ケリーとMGMを支えたフレッド・アステアが、ジーン・ケリーの歴史を紹介するのは感動的だ。いつまでも仲間なんだという気持ちが伝わってくる。 ・ ライザ・ミネリが母ジュディ・ガーランドを語る。ガーランドの「オズの魔法使い」はあまりにも有名。文句なしの大スターだ。この「ザッツ・エンタテインメント」は、ミュージカル映画の教科書だ。ミュージカル映画、ハリウッド映画が好きと言うなら、絶対に観ないといけない作品だ。パート2とパート3もあるので、映画の歴史の勉強をしましょう。
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