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2020年9本目は『博士と彼女のセオリー』以来、再びエディ・レッドメインとフェリシティ・ジョーンズが共演、『イントゥ・ザ・スカイ』。 ------------------------------------------------------------ 現在Amazonプライムでも鑑賞することができる本作、それじゃあ映画館まで出かける意味はないだろう…と思うかもしれませんが、それはもったいない。映画最大の魅力である広大な空の美しさをスクリーンで堪能できないと、面白さが半減してしまいます。凄いのはこれがCGIの力に頼りきった撮影ではないところで、実際に当時と同じ気球を作って飛ばし、上空で主人公2人に演技をさせています。 ------------------------------------------------------------ ですから雄大な空の青さや雲一つ一つの質感は、リアルそのものなんですね。また、フェリシティ・ジョーンズがスタント無しで作中とんでもないシーンに挑んでおり、『ビリーブ』で世界最高齢の検事ギンズバーグを演じたのに続き、本当に強い女性が似合う人になったなぁと。それだけにストーリーの弱さが惜しまれるところです。物語は過去の回想シーンと気球の中を行ったり来たりしますが、地上でのドラマパートが非常に薄い。 ------------------------------------------------------------ 2人にはそれなりに気球にこだわる理由があるものの、スタッフロールを抜けば100分に満たない本作は時間軸の進行が異常に早く、2人の出会いや葛藤を丹念に描いている時間がまるで無かったのでしょう。申し訳程度に付け足したような背景になっています。また、わざわざ女性の人権が低かったことを問題として取り上げているのに、主人公が「女性パイロット」であることには何一つ触れないため、ちぐはぐに感じます。完全に創作でキャラクターを作るのは良いですが、もうちょっと設定を煮詰めてほしかったですね。
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