深入りしない程度にスピリチュアル系の知識が遠くで見守っていた。従来のピクサー作品のように、オモチャの世界、ムシの世界、クルマの世界……etc. という感じで魂の世界をメインに描くものと予期していたが、映画のテーマを定めていくうちに、必然的に、やっぱり人間の生の素晴らしさに重きを置く方がいいよね、という方向性になったものと想像する。『インサイド・ヘッド』の人間がメインになったイメージですかね。というかほぼ『インサイド・ヘッド』ですね（個人的には輪廻転生を信仰していますがそういう見方＝昏睡状態時の妄想、もできるわけですよね）。やりたいことは「ソウル」だけど、主役は人間だから、どっちつかずでちょっと大味な印象だった。ただもう、アニメーションは文句なし。リアリティー路線は『リメンバー・ミー』『トイ・ストーリー4』あたりでいったん限界突破して、ついにミニマルな線画風の存在が出てきたのが面白かった。幼稚園の先生やセミナー講師のように戯画化された「カウンセラー」たち、MVPは彼らにあげたい。でも本当に、なんでもない人生のきらめきを映像で表現するのはかなり頑張っていた。またこの方面は素人ながら『ラ・ラ・ランド』よりは大いに「ジャズって」ましたよ。期待値が高かったので辛口になってしまったが、褒められるところもけっこうあったので★4。