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原作未読です。 とても繊細に描きこまれたドラマ。 予告編で得た印象よりもずっと恋愛色は薄く感じました。聴覚障がいについても、あくまでもテーマを表現するための道具立てのひとつですね(そうすることで、より大きな普遍性を獲得しているあたり、この物語は偉い)。 ちゃんと生きることって、どういうことなのか。誰かと関わることの意味。生きていくうえでのほんとうの強さ。普段何気なく通り過ぎていることを、改めて観客に問いかけてきます。 ちょっと期待し過ぎたかなぁ。でもいい映画でしたよ。心に残るものも、予想以上に重い。感情表現はリアルに感じられたし(かなり生っぽい感情がいくつも描かれ、アニメの絵とのギャップがさらにそれを際立たせる)、笑いどころもあったし(永束君のコメディリリーフとしての万能さは異常)、終盤はずっとジワ泣きしっぱなし。身につまされることが多すぎ。 あと、小学校の先生にかなり責任があると思うんだけど、それには特にフォローはなくて、敢えてなんだろうけど気になりました。 アニメーションの官能性は「君の名は。」に引けを取らず、京都アニメーションの面目躍如です。山田監督は「たまこラブストーリー」で浅い被写界深度の過剰さが印象的でしたが、今回はある程度自制をきかせてて、全体的に上品な画造りになってます。もう少しキャラ(特にヒロイン)の萌え絵度合いが低いほうが、もっと観客に門戸が広がると思うのだけど。
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