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21世紀入っての最高傑作の一つだと思う。 全編を通して泥臭く男しか出てこないし、約2時間40分と長いけれど、監督のセンスか、巧みな音楽の使い方か、主演2人の怪演のためか、不思議と退屈しない。PTAの作品の主人公は決まって奇想天外な人なのだが、今作の主人公プレインビューもイカれた野郎だ。たとえどんなに親しい仲間を傷つけようとも、とことん色々な手を使ってのし上がっていく。ただ今作の主人公は、「スカーフェイス」でアルパチーノが演じたような、欲望剥き出しで破滅していくような人ではない。むしろ欲望などないように感じる。ラストの絡みは少し笑えたりもするし、かなり恐ろしくも感じるが、BGMもあいまって爽快感があるので、気持ちよく観終われる。だが、主人公が結局あそこまでして何がしたかったのか、何を得られたのか、というのを考えながら迎えるエンディングだった。 ダニエルデイルイスの文句なしの演技に加え、ポールダノの怪演が良いスパイスとなり程よい緊張感とコメディ感が生まれていて、本当に絶妙なキャスティングだな〜と感心する。 ダニエルデイは次のPTA作品で復活するようなので、そちらも期待。
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