
ジュネ

Papicha
Avg 3.6
2020年165本目は、アルジェリアの暗黒時代を背景として、必死に女性の抑圧へと立ち向かう少女たちを追った『パピチャ 未来へのランウェイ』。 ------------------------------------------------------------ 1991年に始まったアルジェリア内線はなんとその後10年にも渡って継続し、延べ10万人もの犠牲者を生む大惨事に発展しています。そんな暗黒期のなか、イスラムの教えを順守し、男の成すがままに生きることを強要される女性たちが、強い信念のもとに結束する姿を美しく描いています。ヒロインのネジュマを演じたリナ・クードリは既に28歳なんですが、可愛らしさと艶っぽさの同居する顔立ちで今後も要注目の存在です。 ------------------------------------------------------------ 1962年の独立戦争以後、地道に女性の人権を回復する運動が行われてきたためなのか、思った以上に女性の自由な外出や服装が認められていることに驚きます。もちろんこれが映画を魅力的に際立たせるための演出である可能性も否めませんが、ネジュマたちが大学生活を謳歌する様子には何だかほっとさせられるものがありました。ところが本作、後半に進むにつれて本性をあらわにするタイプの作品でして、そのエスカレートぶりが凄まじい。 ------------------------------------------------------------ 特に恐ろしいのは男性側のみならず、女性の女性に対する暴力です。本来であれば共に立ち上がるべき存在の女性たちの中にも、教えを正しいと信じこみ卑劣な方法で報復する人間がいることに唖然とさせられます。ネジュマが自分の信念を貫き通した結果、とてつもない十字架を背負う羽目になるラストを含め「酷たらしい」事この上ないんですけど、当時の時勢を垣間見る上で貴重な1作に仕上がっています。