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【開始5秒で鳥肌が立つ映画】 20世紀FOXのあのクレジット映像がギター音で奏でられる、バンドサウンド好きには鳥肌必至のOP。それもかすむほどのラストのど迫力圧巻ライブに無心の涙が溢れ出る、魂ド響きの映画。 ◆概要 「クイーン」のボーカルで、1991年に45歳で逝去したフレディ・マーキュリーの伝記ドラマ。音楽総指揮は現クイーンメンバーのブライアン・メイとロジャー・テイラー、劇中ではフレディ自身の歌声の28楽曲を使用。出演は「ナイト ミュージアム」のラミ・マレック、「シング・ストリート 未来へのうた」のルーシー・ボーイントンら。監督は「X-MEN」シリーズのブライアン・シンガー(製作途中で解雇されているが、表記上はこれ)。 ◆ストーリー 「ボヘミアン・ラプソディ」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」などの名曲誕生の瞬間や、20世紀最大のチャリティコンサート「ライブ・エイド」でのパフォーマンスを再現するとともに、知られざるストーリーを描き出す。 ◆感想 とにかくラストのライブ20分間(おそらくライブ音源そのままノーカット)の迫力に得もいえず体が震える。悲の感情でもなく喜の感情でもなく、涙が何故か湧き出る不思議な感覚。これがいわゆる“魂に響く”という感情なのかと、自分でも初の体験に驚いた映画だった。 死を悟るも魂で歌うフレディの姿、曲に感極まる観客、絆で繋がったバンドメンバー、そんな映画としてのストーリーがあって、ラストの映画の山で泣かされた…のではなく、それとは違う、映像そのものの底力で泣かされた、としか言いようがない。何万人もの観客が音楽で一つになる映像力、その中心でその渦を作り出す神々しいまでのバンドの姿、自分もその会場にいるような感覚になる、不思議な映画体験だった。音楽が少しでも好きで、ライブに足を運んだ経験がある人には是非この映画を体験してほしいと思う。 全体的にも、まあフレディ・マーキュリーの波乱万丈な人生に驚かされるし、誰もが聞いたことのあるクイーンの曲がもちろん大量に使われていて、楽しめる要素が豊富。劇場で体が何度もリズムを取ってしまう笑。 コアファンでなければ、劇中に散りばめられた“クイーントリビア”も楽しめる要素だと思う。「We will rock you」がフレディの遅刻から生まれた、フレディのあのビジュアルは身近な関係者の影響、「Bohemian rhapsody」は発表の何年も前に一度お蔵入りになった曲。。事実か否かは置いといて、映画として描かれる“クイーンってそうだったんだ”な発見が面白い。 個人的には、マイベスト映画の「マイ・フレンド・フォーエバー」主演でエイズを患う少年役だったジョセフ・マッゼロがベーシスト役として、同じくエイズで亡くなるフレディの映画に出演していたことがツボ。エンドロールの本人映像でビジュアル的にも適役なのが分かったけど、この配役はそれを意図したものだと推測してしまう。 とにもかくにも、ラストのライブシーンがありそうでなかった感涙の映画体験。たくさんの人にこの感覚を味わってほしいと思う。
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