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【笑う映画】 “旦那デスノート”を巡る、イマドキな夫婦愛の物語。どハマり役な香取慎吾と岸井ゆきのの演技も光る。元芸人の監督ならでは、笑いもふんだんで、チャーリーも観客も“笑う”ほっこり映画。 ◆トリビア ○監督の市川昌秀は、「髭男爵」(現・山田ルイ53世、ひぐち君のコンビ)の元メンバー。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/市井昌秀) 〇裕次郎の口癖「いい意味で」は、監督自身の口癖でもあり、演出中に言ってきた事に香取と岸井は驚いた。しかしいつの間にか香取も私生活で使うように。さらにいつしか草彅剛もそれを使っていた笑。(https://times.abema.tv/articles/-/10039054) 〇本作に登場する”旦那デスノート”は実在し、人気のデスノートがランキング表示される”旦那が死ぬまでランキング”などのコンテンツがある。(https://danna-shine.com/) ○ 2008年の映画祭で審査員だった香取慎吾が市井昌秀監督の作品を高く評価。そこから市井監督が担当した香取慎吾のソロアルバム収録曲「FUTURE WORLD(feat.BiSH)」のミュージックビデオに繋がり、本作の製作に至った。(https://www.fashion-press.net/news/86761/2) 〇裕次郎のモデルは市井監督自身。さらに香取慎吾がこれを言ったら面白いと思って監督が書いた当て書き。(https://lee.hpplus.jp/column/2419491/) 〇香取慎吾は過去、監督の演技指導を聞いたフリをして全く同じ演技をし、OKをもらったことがある。ちなみに本作ではしていない笑。(https://times.abema.tv/articles/-/10039054) 〇香取慎吾は、台本を当日現場で覚えるようにしている。(https://news.mynavi.jp/article/20220921-katori_kishii/2) 〇裕次郎は筋トレが趣味だが、香取慎吾は本作のための筋トレは行っていない。むしろ大嫌い笑。(https://news.mynavi.jp/article/20220921-katori_kishii/2) 〇岸井ゆきのは、本作で肩車とワイヤーアクション(一見分かりにくい場面)に初挑戦している。(https://news.mynavi.jp/article/20220921-katori_kishii/3) ○映画の一部は、市井監督が以前オペレーターとして働いていた新宿の会社で撮影された。(https://www.tmj.jp/lp30th/conversation/) 〇香取慎吾は、いまだに街で「草彅くん」と声を掛けられることを気にしている。ちなみに吾郎ちゃんと言われたことは一度もない。(https://news.nicovideo.jp/watch/nw11362645) ◆関連作品 ○「凪待ち」('19) 香取慎吾の代表作。本作同様キノフィルムズ配給。クズ男の喪失と再生の物語。香取慎吾がボコられる長回しは一見の価値アリ。プライムビデオ配信中。 ○「台風家族」('19) 本作同様、市井昌秀監督、キノフィルムズ配給作品。草彅剛主演。遺産をめぐるファミリーコメディ。配信に披露する草彅剛のバカ演技が面白い。プライムビデオ配信中。 ○「喜劇 愛妻物語」('20) 本作同様、監督が自身で脚本した夫婦のコメディドラマ。濱田岳と水川あさみがどハマり役。U-NEXT配信中。 ◆評価(2022年9月23日時点) Filmarks:★×3.9 Yahoo!映画:★×3.8 映画.com:★×3.8 ◆概要 ある夫婦の互いにゆずれないバトルを、香取慎吾主演でコミカルに描いたブラックコメディ。 【監督・脚本】 「箱入り息子の恋」市井昌秀 【出演】 香取慎吾、岸井ゆきの、井之脇海、的場浩司、眞島秀和、菊地亜美、きたろう、浅田美代子、余貴美子 【公開】2022年9月23日 【上映時間】117分 ◆ストーリー 結婚4年目となる裕次郎と日和は、表向きは仲良し夫婦に見えたが、鈍感な裕次郎に日和は不満を募らせていた。そんな日和が鬱憤を吐き出さすツールとして出合ったのが、SNSの「旦那デスノート」だった。そこには世の夫たちが見たら驚がくするであろう、妻たちが投稿する本音の数々が書き込まれていた。ある日、裕次郎はそのSNSの存在を知り、自分について書かれていると思われる投稿を見つけてしまう。書き込んでいるのは、チャーリーというハンドルネームの人物だった。チャーリーとは、裕次郎と日和が飼っているフクロウの名前と同じで……。 ◆ ◆以下ネタバレ ◆ ◆ラスト “夫婦というシステムを守るために自分でなくなっていた”日和。”現実から逃げて日和を見ていなかった”裕次郎。夫婦のストレス緩和剤のように思えた旦那デスノートが、逆にその崩壊を招いた事に気づいた二人が、人目もはばからずに思いをぶつけ合った職場でのシーンがアツかった。思えば、二人の出会いのきっかけになった“ふんばる君”は、ラストの二人の“ふんばる”姿そのもの。あの時届かなかった“幸せのビニール袋”をつかめた二人は、まるで荷重が増えたふんばる君のように、一皮剥けて幸せに向かうような、“チャーリーも笑う”素晴らしいラストだった。 ◆演技 台本は当日現場で読み込むという香取慎吾。李組だとボコボコにされそうなそのスタンスだけど、本作ではいたって裕次郎が自然体(筋トレが趣味の割には緩めの完成度だったのは除いて笑)。前述の“日和の事を見ていなかった”と感情を爆発させる場面や、もはや顔芸だったタイトルバックの表情も良かったし、全体的に彼の柔らかい語り口調は裕次郎のキャラクターにとても合っていたと思う。岸井ゆきのの、親友との会話の中で突然豹変したあの表情の作り方も素晴らしかった。 ◆笑い 結婚式のスピーチで、散々意味不明な発言をして沈黙し、しまいには肘を舐めようとし出すなんて現実にはカオス笑。“旦那だけ カミナリ直撃 いい意味で”などの“デス川柳”にもクスクス笑わせてもらった。その辺りはさすが「髭男爵」の元メンバーという市井監督、過去作「台風家族」含め、笑いのセンスは一流だと思う。個人的には、無駄に豆知識満載の裕次郎が、映画のトリビアを無駄に召集してしまう自分と重なり、ちょっとしたシンパシーも感じながらの鑑賞で一部加点してしまった事に謝罪いたします、いい意味で笑。 引用元 https://eiga.com/movie/96984/ https://ja.m.wikipedia.org/wiki/犬も食わねどチャーリーは笑う
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