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すげえ。マジで面白かった。 復讐解釈は多分ミスリード。revengeの絵はスーザンが買い取ったもの。自責の念で、元夫は復讐を?と思っただけ。元夫の自殺解釈も死ぬ理由がない。 明確なのは、トニー=スーザン。主体性がなく、犯人や警察に従い全て失うトニーは、言われるがまま堕胎し子供とエドワードを失ったスーザンの投影。 そもそも本作の主旨はなにか?トムフォードということもあり、言い方は悪いが、監督からみた女性の醜悪さを描いたのでは。序盤の太った女、異常に厚い化粧もそう思わせる一つ。 タイトルも「Nocturnal Animals」と複数形。 ノクターナルは夜の訳だったが、厳密には夜行性。つまり不眠症のスーザン。どんな夫や生活にも満たされない飢えた獣だ。 この獣はスーザン然り、スーザンの母しかり、今日も眠れない飢えた女性たち(アニマルズ)となる ラストで悲しみに満ちた瞳は母親そっくりで、結局彼女が満たされることはない。 そんな彼女との決別のため、彼が現れることはなかった。もし満たされていれば、現夫を差し置いてレストランに来る必要もない。 復讐解釈は誤りと言ったが、いやワンチャンここは彼の復讐かも。彼はスーザンが満たされておらず、来ることはわかっていたはず。「ほらねやっぱり来た。お前がどれだけ飢えた獣か思い知ったか」というニュアンスはあったかもしれない 待ち人は来ず、残るは厚く塗りたくった化粧と、醜い心のみである。
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