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もう、春になるというのに、心に花は咲かずにずっと曇っている。ぽつりぽつりと降りはじめた雨がじっとりとわたしを濡らす。 寒い。さむい。 空っぽの二つの車輪がくるくると、あなたが死ぬ夢を何度もみた。そしていつもの後ろめたさを感じる。 踊ると反転する世界は、まるで風に舞う花びらのよう。 わたしも風になって、無音の春の空を駆ける。 故郷までは、まだ遠い。
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